MUSEの最新ツアーを観た! ドローンが本当に飛んでいた
2016.02.01 10:30
ミューズの“ドローンズ・ワールド・ツアー”が現在全米を席巻中。先に行われたLAなどのレヴューが「史上最後のアリーナ・ロック・バンドであることを証明する」などと素晴らしかったので、楽しみにしていたのだが、NY/NJのライヴも期待通りの内容だった。NY近郊では2万人キャパで2日間行われ、私は1月29日ニュージャージーのプルデンシャル・センターでのライヴを観た。
まず何より去年アルバム発売時にインタヴューした際、「ドローンを飛ばしたいと思う」と言っていた通り、いきなり会場に巨大バルーン型のドローンが舞い降りてくる。これが、思いきり不気味で、しかし同時にどこか美しくて、鳥肌が立つ。
ステージは会場のど真ん中にあり、なんと360度の観客席。花道が両端に延びていて、その上にはスクリーンが。U2の最新ツアーを彷彿とさせる舞台設定になっていた。また、これもインタヴューの時言っていたが、前回のツアーでスタジアム規模のライヴを行い、観客との距離が遠く感じた、と言っていたので、今回は可能な限り観客に近付ける内容になっている。花道の両端にはミニ・ステージもあって、マシューは、右に左に駆け回るのだ。
全体の構成としては、ドローンが飛ぶ瞬間、スクリーンが降りてくる瞬間、何もない瞬間、と大きく3つに分けられていてそれが、曲ごとに変わる。
最新のアルバムでは、初期の頃の3人のサウンドを取り戻したい。ライヴで思いきり演奏できる曲を念頭に書いた。とも語っていたが、それを見事に実現する内容だった。
『ドローンズ』の曲では大胆に仕掛けを使い、初期の頃の曲では何のセットも仕掛けもなく、3人でそのまま演奏するという場面が何度もあった。原点に返る瞬間とど派手なエンターテイメントを見せる瞬間とが入り交じった、ミューズならではのドラマチックな内容だったのだ。
ロジャー・ウォーターズの『ザ・ウォール』のライヴを観たとマシューが語っていたが、それに影響されたのか、ブタは飛ばなかったが、観客席に飛行機が飛んで来る場面もあった。
真っ黒の巨大バルーンが落ちてきたり、紙吹雪や赤白のテープが舞う、これでもかという瞬間だらけ。
ライヴの破壊力、過剰さもさることながら、昨今のライヴのセット、ライト、スクリーンのデザインの発達には目を見張るものがあると改めて思った。トレント・レズナーがハウ・トゥ・デストロイ・エンジェルスのツアーをやった時のデザインはあまりに素晴らしかったが、それ以来もの凄いスピードで日々進化している。ミューズも、ライヴでの体験が可能な限りスペシャルなものになるよう、これでもかという努力をしていることを実感した。アルバムの売り上げは下がっているが、ライヴ、フェスは大成功しているという昨今の音楽シーンのあり方も反映しているようだった。
セットリストは以下の通り。
SETLIST: Muse @ Prudential Center 1/29/2016
Drones
Psycho
Dead Inside
Interlude
Hysteria (Led Zeppelin's 'Heartbreaker'... more )
Map of the Problematique ('Who Knows Who' riff + Rage... more )
The 2nd Law: Isolated System
The Handler
Supermassive Black Hole (The Jimi Hendrix Experience's 'Voodoo Child' intro)
Prelude
Starlight
United States of Eurasia
Munich Jam
Madness
Resistance[JFK]
Reapers
Time Is Running Out (Status Quo's 'Burning Bridges' intro)
Uprising
The Globalist
Drones(Reprise)
Encore:
Mercy
Knights of Cydonia
(Ennio Morricone's 'Man With a Harmonica' intro)