ボノ、「トランプを見ていると悲しくなる」と語る。

ボノ、「トランプを見ていると悲しくなる」と語る。 - 『ヨシュア・トゥリー』30周年記念盤 スーパー・デラックス『ヨシュア・トゥリー』30周年記念盤 スーパー・デラックス

今週アメリカのトークショー”Jimmy Kimmel Live”に出演したU2だが、そこでパフォーマンスのみならず、座ってインタビューを受ける場面もあった。20分あったインタビューの映像はこちら。

その中で、ボノは、過去にはクリントン元大統領のみならず、ジョージ・W・ブッシュ元大統領とも協力して、エイズ撲滅のために活動してきたこともあり、トランプ大統領とも会って、一緒に何かしたいか、と、聞かれている。10分あたりから。

ボノは、自分はこれまで自分とは見解が違う様々な人達と協力し合って来たし、そのためにはまず会話が必要なんだと語っている。しかし、こう付け足している。

「ただし。今は何もかも変わってしまった。本当に。変わってしまったんだ。
まず言いたいのは、僕はトランプ大統領に投票した人達に敬意を表したいと思っているということ。彼らの怒りは理解できるから。僕自身も、政治的なプロセスに幻滅して、怒りを感じたことがあるから、それは理解できるんだ。政治のシステムが腐敗していると思う気持ちも分かる。
だけど、言わせてもらえるなら、トランプが、そのシステムの問題を治癒するとは思えないということ。それどころか彼は、その問題を悪化させるだろう。それに、彼の人生においてこれまで、彼が深刻な打撃を受けた人達を思って何かやってきたという証拠がまったくない。それが僕を悲しくさせる。
彼は、自分のために観衆が集まることを喜んではいるけれども、彼らが家に帰った時に、どんな人生を送っているのかまでは、知りたいと思っていない。それが悲しい。本当に共和党支持の人達に心から敬意を表するけれども、だけど、これは本当にそれとはまったく違うことなんだ」

ボノが「悲しい」と言っている時、本当に心が痛くなってしまうのだけど、司会者がさすがコメディアンなので、「あなた達は、99%のアメリカ国民よりも、アメリカを愛してくれていると思います」と、笑いで締めくくっているのが、さすがだ(笑)。

笑いと言えば、このインタビューの始めのほう5分くらいのところで、彼らが、カントリー・シンガーに仮装している写真が紹介される。1987年に、前座だったロス・ロボスが会場まで何かの理由で辿り着けなくてキャンセルしたため、自分達のライブで、急遽前座をしたそうだ。観客は最前列の10人くらい以外は誰も気付かなかったそう。
エッジが、「2万5千人〜3万人くらいの観客に完璧に無視されて演奏するというのはなかなかナイスだったよ」と語っている。
30年前なのにボノが歌った歌まで覚えているのが凄い。

また、このインタビューでは、新作がどうなったのかも聞いている。

ボノは「エッジに聞いてくれ」と言っていて、エッジは、「間違いなくこれから27年以内には出る」と言っている(笑)。司会者は、ボノのチャリティイベント(RED)で新曲を5曲聴かせてもらったそうで、それが最高だったという。それは18ヶ月も前だったということ。ボノ曰く、「エッジがまだアルバムをミックスしている」そう。また、別のインタビューでは、トランプが大統領になった後、アルバムを書直したとも言っていた。

U2の『ヨシュア・トゥリー』ツアーは、8月1日まで続く。ヨーロッパ公演の全日程はノエル・ギャラガーが前座を務めることになっている。

新作はその後完成させて今年中に出るのだろうか? または新年だろうか?
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