濃密な3時間超ライヴ! エレファントカシマシの新春ライヴを観た
2016.01.06 00:50
エレカシの新春ライヴ、今年の会場は東京国際フォーラムホールAで、今夜はその2日目となる公演だった。二部構成でのセットリストで、第一部はストリングスチームを全編に渡ってフィーチャーし、新旧の名曲たちを、素晴らしく深みのあるアレンジと演奏で響かせてくれた。第二部のスタートではバンドセットでの演奏をメインに、ガレージパンクバンドもかくやという荒々しく魂を揺さぶるような演奏で、終始圧倒されっぱなし。国際フォーラムって、こんなに揺れるんだ!? というほど、2階席が激しく何度も波打つように揺れた。
全33曲、軽く3時間を超えた濃密な夜。しかも全身全霊、力の抜きどころなど計算しない全力のパフォーマンスを披露しておきながら、最後まで枯れることのないヴォーカル力には驚くほかない。「ホールでやるライヴが好きだ」と言っていた宮本だが、確かに今夜のような大きいホールの方が、エレカシの楽曲が持つスケール感は伝わりやすいのだと思う。それにしても、霧が晴れたような明快さで、迷いを振り切った、というより、迷いとともに生きていくことを肯定した男の強さが存分に伝わってくる圧巻のライヴ。宮本浩次の堂々たる佇まいに痺れた夜だった。(杉浦美恵)