2012年に行われた初の全国ツアー「つま先はその先へ」で巡った会場に、再び足を運ぶという趣向で迎えた東京・赤坂BLITZ。当時は飛ぶ鳥を落とす勢いで支持層を拡大し、メジャーデビューを果たした直後だった。そのツアーが決まったとき、え、クリープハイプってBLITZでワンマンできるの? と思ったことをよく覚えている。
4人の好調ぶりがビシビシ伝わるステージで、とりわけ小川の多彩なギタープレイが映えまくる。楽しく盛り上がるだけじゃない、楽曲がオーディエンスに適度な緊張感を与える感覚は当時からあまり変わっていないけど、楽しそうに没入するほど演奏が冴え渡る4人に魅せられた。
憎悪と背中合わせの愛を伝え、エロスの中から体温の温もりと優しさ・切なさを引き出すクリープハイプの歌は、言うなればなぞるべき記憶そのものだ。尾崎は「言えなかったことを言うために曲を作って、ライヴをやってる」と語っていた。バンドの本質に迫る企画だからこそ、4人はあれだけの充実感を振りまいていたのではないか。
今後、仙台、大阪、名古屋公演を控えていて、2月半ばからは各地追加公演も行われる。観ていて昂り過ぎたので、少し落ち着いてから後日アップのライヴレポートを書きます。(小池宏和)