KinKi Kids、『SONGS』紅白密着スピンオフを観た――ふたりに惹かれるふたつの理由

KinKi Kids、『SONGS』紅白密着スピンオフを観た――ふたりに惹かれるふたつの理由

昨年11月17日放送回の反響が大きかったことを受け、今月14日に放送されたNHK『SONGS』には再びKinKi Kidsが登場。今回は、昨年9月の武道館ライブとリハーサル風景、そして昨年末の『第67回紅白歌合戦』の舞台裏密着映像が放送された。

バラバラなふたりがそれぞれの道を追求していくことでKinKi Kidsが成り立っている、ということは前回放送時にも語られていたが、「どんなに非現実的な発想だとしても言うのはただ」とステージを作り込むことの楽しさとこだわりを語る堂本光一と、「バンドメンバーとかダンサーとかスタッフも含めて『自分』を出してほしい。そうするとオーディエンス(観客)の人たちも『自分』を出せるんですよ」とその場でのグルーヴに重きを置く堂本剛は、本当に正反対だなと改めて思う。そんなふたりの違いをよく表していたエピソードが『紅白』での剛と欅坂46の「衣装かぶせプロジェクト」だった。初出演のアーティストが揃う会見で両者の衣装が似ていたことを発端に、NHKサイドから「本番でもぜひ」との提案が。「僕が前のめりってことじゃないですからね」と注釈をつけていた剛だが、そのときはまだ、スタッフと連絡を取りながら光一がこっそり準備を進めていたことを知らなかったという。

今回の番組を観て、彼らがたくさんの人を惹きつける理由は主にふたつあるのではと感じた。まずは単純に、アウトプットされるエンターテインメントの質が高いこと。KinKi Kidsの場合、演出面は光一、サウンド面は剛、というふうに自然と役割分担されているが、そのように互いが得意分野で頭を回し腕を振るうことによりユニットとしての死角はなくなっていく。

そしてもうひとつは、「自分にはこれしかない」という部分が滲み出ている人たちだということ。番組中「媚びないところが好き」というファンからのメッセージも登場したが、それはステージ上で格好つけないという意味ではなく、つまりそういうことだ。20年間華やかな世界で活躍してきた人たちにもかかわらず、ふたりのキャラクターは例えテレビ越しでもよく伝わってくる。だからこそ「20年、30年経っても歌えるように」と提供されたデビュー曲“硝子の少年”は何年たっても錆びつかないし、ふたりの関係性を思わせる曲“愛のかたまり”(2001年リリースシングルのカップリング曲)がこのタイミングで注目されているのだろう。

光一いわく、「俺は俺の表現をステージ上でやるし、彼は彼の表現をステージ上でやる。それで成立しているのがKinKi Kids」。これから先、彼らはもっと自由に、もっと独自の存在になっていくはずだ。(蜂須賀ちなみ)
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