【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】7th『東京の空』

【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】7th『東京の空』 - 『東京の空』1994年5月21日発売『東京の空』1994年5月21日発売

エレカシ、もう一度始まる

このアルバムを作るにあたって、バンドはレーベルから「最後通告」を受けていたという。結局レコーディング中に契約が切れることが決定し、結果として本作はエピック時代最後のアルバムとなった。という状況が生んだ開き直りなのか、7枚目にして何かを掴んだからなのか、おそらくどちらもあるのだが、ここまでの作品で最も自由で解放的な空気が鳴っている。近藤等則のトランペットをフィーチャーした12分超えのタイトルトラック、“もしも願いが叶うなら”のハーモニー、“誰かのささやき”のリズム、タイトなビートで《夢だきゃたくさん持ってるぜ》と叫ぶパンクナンバー“男餓鬼道空っ風”。やりたい放題なのにポップなのは、宮本がアレンジの細部にわたるまで目を配りプロデュースしているから。つまり、以後ずっと続くことになる楽曲制作のスタイルがここに生まれたのだ。近づく「夕方」を前に《おれたちゃ自由さ》と歌う“暮れゆく夕べの空”が象徴するのは、衝動で走ってきた時期を経て新たなゼロ地点に立ったバンドの姿だ。(小川智宏)

収録曲:
1.この世は最高!
2.もしも願いが叶うなら
3.東京の空
4.真冬のロマンチック
5.誰かのささやき
6.甘い夢さえ
7.涙
8.極楽大将生活賛歌
9.男餓鬼道空っ風
10.明日があるのさ
11.星の降るような夜に
12.暮れゆく夕べの空

※『ROCKIN'ON JAPAN』2016年1月号より転載

過去のレビューはエレファントカシマシのアーティストページをご確認下さい。
http://ro69.jp/artist/2218

次の更新は2017年3月12日(日)19:00です。(毎日7:00、19:00公開予定)
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