ボーイズ・ノイズ――エレクトロ・ハウス隆盛の一角を担うアンダーグラウンド・ヒーロー、そのストイックに鍛え上げられたダンス・ミュージックのここがすごい!

ボーイズ・ノイズ――エレクトロ・ハウス隆盛の一角を担うアンダーグラウンド・ヒーロー、そのストイックに鍛え上げられたダンス・ミュージックのここがすごい! - rockin'on 2021年10月号rockin'on 2021年10月号

刻一刻と移りゆくダンス・シーンをサバイブしてきたボーイズ・ノイズが、9月24日に通算5作目となるフル・アルバム『+/-(読み:ポラリティ)』をリリースする。

ドクロ型のミラーボールがアートワークに配されたデビュー・アルバム『オイ・オイ・オイ』から早14年。ドイツ出身のDJ /プロデューサーであるボーイズ・ノイズことアレックス・リダは、ジャーマン・テクノ由来のストイックなビートを用い、エレクトロ・ハウス隆盛の一角を担った。また、さまざまなコラボレーションを通してヒップホップ/トラップの時代とも向き合い、スクリレックスとのユニット=ドッグ・ブラッドとしても活躍。

近年は、フランク・オーシャンの“DHL”や、アブラの“Unlock It (feat. Playboy Carti)”といった楽曲もプロデュースしている。ただポップ・ミュージックの最先端で器用に立ち回るのではなく、アンダーグラウンドなダンスの熱気を常に作品へと落とし込んできたことが、今のボーイズ・ノイズに寄せられる大きな信頼感として表れているのだ。

ニュー・アルバムからの先行シングルとして、“Nude(feat. Tommy Cash)”と“Xpress Yourself”の2曲が同時リリースされた。「東欧のカニエ・ウェスト」とも評されるラッパーのトミー・キャッシュを迎えた“Nude”のMVは、ロックダウン下のオンライン・パーティーで多くの人々がフラストレーションを解き放つように肌を晒す様子が、コミカルなほどにエモい。一方、“Xpress Yourself”は深夜帯のダンス・フロアを想起させ、沸々としたミニマルな熱狂と陶酔感を描き出す、ボーイズ・ノイズらしい質実剛健なダンス・チューンへと仕上げられていてかっこいい。

ポップな歌ものによる現代的なエモーションの表出と、ストイックに鍛え上げられたダンス・ミュージックによる救済。この二面性こそがボーイズ・ノイズであり、新作『+/-』はそんな二面性によって成立するアルバムとなりそうだ。ケルシー・ルーとタッグを組んだ名曲“Ride Or Die(feat. Chilly Gonzales)”(アニメMVも素晴らしかった)なども収録される。今から楽しみだ。 (小池宏和)



ボーイズ・ノイズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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