現在発売中のロッキング・オン4月号では、カンのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「最初オーディエンスは僕らのことを、完全に頭がイカれてると思っただろう。
当時はジャーマンロックミュージックなんてものは存在しなかったからね」
(イルミン・シュミット)
カンの即興音楽における並外れた統率の取れ方について、バンドメンバーたちはある種の超感覚的な扶助があったと主張している。「何ひとつ事前に取り決めたことなんかなかったよ、スタジオでもオンステージでもね」と、イルミン・シュミットは1975年に語っていた。「このグループの人間はみんなテレパスだからさ。ある程度のレベルのテレパシーが使えるようにならないと、次のステップに進めないんだ。僕はそれをクライシスポイントって呼んでる――そこにこそクリエイティビティの基本があるんだよ、いつだって危機の賜物さ」
カンがこれまで世に出してきた名盤を聴いていると、こんな妙ちきりんな主張にも異を唱えるのが難しいような気持になる。そこに収められているのは夢から鋳造された音楽であり、途方もない狂暴性とこの上ない繊細さの両方を僅か数小節の中で表現してしまうことが可能なのだ。
「自分たちでは一度も即興なんて言葉は使ったことがない」、シュミットが説明する。「我々のインプロビゼーションにはフォームがあって、我々はそれをインスタントコンポジションと呼んでたんだ。ひとつのパートから次のパートへと様々な指示があるんだけど、それはあくまでその場で生み出されるものでね。だからただプレイする以上に、他のプレイヤーの演奏をちゃんと聴くことを学ばなければならなかった。みんなで毎日、何時間もぶっ通しでプレイしてたもんだよ、何年も何年もね」
「僕らの間に作り上げられたスピリチュアルな宇宙があったからこそ、こういう音楽が可能だったんだよ」、ミヒャエル・カローリは言う。「それも僕らが今、ステージに上がって一緒にプレイできない理由のひとつなんだ。僕らはそうするに足るだけの演奏時間を一緒に過ごしていない。カンをやっていた時は、僕らは一日16時間スタジオでプレイしていたんだからね」
(以下、本誌記事へ続く)
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