ビッグ・イヤー間違いなし! 2020年、期待の新作&アーティストを総ざらい――今年注目すべきバンドはここでチェック!

ビッグ・イヤー間違いなし! 2020年、期待の新作&アーティストを総ざらい――今年注目すべきバンドはここでチェック!

年が明け、2019年の自分のプレイリストを聴き返してみたり、ロッキング・オンをはじめ様々なメディアの年間ベスト・アルバム・リストと照らし合わせて聴き逃していたアルバムを駆け込みチェックしたりと、2019年セルフ大総括に勤しんでいる方も多いはず。ここではそんな総括の次の段階として、2020年にリリースが予定されている、もしくはこちらが勝手に期待しているニュー・アルバムをピックアップしてみた。ケンドリック・ラマーフランク・オーシャンの新作も見据えた2020年がビッグ・イヤーとなることは間違いないが、ここではバンド・ミュージックをメインに独断と偏見で超待望の新作を控えるアーティストをご紹介!

2020年はここから始めるべし、2月リリースの最重要アルバム2選!


まずは、既にリリース日が決定しているアルバムからご紹介。中でも2020年上半期の目玉となること必至なのがThe 1975の『Notes On A Conditional Form』だ(※当初の2月21日リリースから4月24日に発売が延期されました)。爆裂ハードコア・パンクでファンの度肝を抜いた“People”、グレタ・トゥーンベリのスポークンワーズも話題の“The 1975”、センシュアルなガラージ・ナンバー“Frail State Of Mind”の3曲が既に同新作から公開されている。

ちなみに“Frail State Of Mind”は前作『ネット上の人間関係についての簡単な調査』の“TOOTIMETOOTIMETOOTIME”とコインの裏表を成していて、予告通り『Notes On a Conditional Form』が前作と対照的な続編に仕上がっているという予報が確信に代わり、期待のハードルがぐんぐん上がってしまっている。彼らには久々の単独来日も2020年内に切に、切にお願いしたい!


そんなThe 1975のアルバム発売1週間前のバレンタイン・デーにはテーム・インパラの新作が待機中。『カレンツ』以来5年ぶりのニュー・アルバムのタイトルは『The Slow Rush』。当初の予定から大幅に遅れてリリースされる同作についてケヴィン・パーカーは「納得いくものが出来上がるまでみんなに聴かせたくなかった」と言っていたが、彼らのその拘りと完璧主義は先行公開されている“It Might Be Time”からもひしひしと感じられる。一度より二度、二度より三度とリピートするたびに中毒性が増していく、つまりサイケデリックの淵に身投げして帰ってこれなくなりそうな最高のリスニング体験。早く全曲ループしたい!


今年こそ動くか?! 予定は未定のあのバンドたちの待望作

2020年こそ動くか?というか、そろそろ本気で動いてもらわないと困るのがザ・ストロークス。彼らのアルバムは現時点で2013年の『カムダウン・マシン』が最後。2016年にEP『Future Present Past EP』がリリースされて「これはアルバムも間もなくか?!」と盛り上がったものの、その後は毎年のように新作リリースの予想が流れ、毎年のように何事もなく大晦日を迎え続けていたらテン年代が終わってしまった。新たなディケイドの今年こそ……!と力んでしまうのも仕方ない状況なのだ。

ただ、昨年秋のニックの「アルバムのレコーディングが終わったよ」なる言質も取れているし、今回はかなり信憑性が高まっている。また、NYでのカウントダウン・コンサート以降もロラパルーザ他フェスへの出演も決定していて、ライブをコンスタントにやり続けているのも心強い。つまりメンバーの関係性が変わらず良好ということで、これは彼らにとって大きな意味がある。頼むよほんと。


ストロークス同様の2000年代デビュー組としてはカサビアンもニュー・アルバムに期待がかかる一組だ。自身のサイド・プロジェクト、THE S.L.P.のデビュー・アルバムを2019年にリリースしたサージも「カサビアンはカサビアンで絶好調で進んでるよ」、「あっちのアルバムでは俺もギターを弾きまくっている」と言っていたし、少なくともなにがしかの新音源は聴けそう。

同じく2000年代組のザ・キラーズの予定はさらに明確で、2020年春にニュー・アルバム『Imploding The Mirage』をリリースすることがオフィシャルになっている。5月には新作タイトルを冠したUKスタジアム・ツアーも決定していて既に全公演ソールドアウト。にしてもこのツアー、サポート・アクトも含めて最高。


久しぶりのカムバックが噂されるあの大物のニュー・アルバムとは


ツアーが最高と言えば、昨年フジロックのステージで昇天した人も多かろうザ・キュアーも2020年の新作のリリースを公言しているアーティストだ。しかもロバート・スミス曰く「ニュー・アルバムは3作、用意している」とのこと。ただし、3作のうち最初の1作は本来なら2019年中にリリースされる予定だったものが延期になっているので、現実問題どうなるかはわからない。でも、3作のうち1枚でもリリースされたらえらいことです。これまでダークだ実験的だと散発的に語られてきた新作だが、フジで彼らのコンディションを確認したかぎり、もっとバンドのコアにフォーカスしたソリッドな一枚になりそうな予感も。なんにしても12年ぶりのニュー・アルバム(仮)、正座して待ちましょう。



キュアーが12年ぶり(仮)であるのに対し、約7年ぶりのニュー・アルバムに期待がかかるのがフィオナ・アップルだ。フィオナと言えばキング・プリンセスとのタッグでセルフ・カバーした“I Know”も素晴らしかったし、キング・プリンセスからラナ・デル・レイ、さらにはビリー・アイリッシュまで、彼女の影響力の大きさを感じる機会が多かった2019年だけに機は熟した感がある。フィオナ自身も「新作は2020年に(多分)出す」と言っている。

次のページ早くも新作に邁進中のあのアーティスト、そして忘れてはいけないあのバンド
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