昨年12月に行われたフローレンス・アンド・ザ・マシーンのMTVアンプラグドのライヴ盤が本作だが、とにかくこのライヴ、映像があまりにも見事なのでぜひDVDを鑑賞してほしい。ニューヨークで最も古いユダヤ教会建築をアート・センターに改築したというセッティングで、基本的にアコースティック・ライヴである。フローレンス・ウェルチとその一味としてはもうすでに絶対に負けない土俵なのだ。アコースティックやりますというよりは、失われたあの音をこのわたくしが取り戻してみせましょうというオーラをこの会場で鳴らし、パフォーマンスも照明も映像もなにもかもお見事すぎなのだ。実際、『アンプラグド』でここまで観せるステージはなかなか珍しいし、ほんとにあっという間に終わってしまうこの内容の濃さは圧巻だ。海外ではやたらと“トライ・ア・リトル・テンダネス”のカヴァーが高評価になっているが、カニエとQ-ティップがじっと見つめるなかかなり緊張が隠せない(嫌だったろうなあ)。やっぱり、“ホワット・ザ・ウォーター・ゲイヴ・ミー”が最高だと個人的には思うし、今まさに脂が乗り切っている証拠なのだ。(高見展)