まず圧倒的にメロディが素晴らしい。経験や計算では絶対に書けない、おそらく天然の才能によるものだろう。優しくて切ない。時に危険で暴力的。さらには予測不能で変幻自在――つまりロックバンドに必要とされる「…
エド・シーランやマイケル・キワヌーカといったUK発の新世代シンガーソングライターが大きな支持を集める昨今。そのシーンの先駆けとして個人的に好きなアーティストが、パオロ・ヌティーニとこのニュートン・フォ…
頭のタイトル曲は初回盤のボーナストラック。アナログ一発録りの貴重なテイクで、その録音風景を収録したDVDも付属するから、頑張って入手したいもの。とは言え本来聴くべき11曲にこそ、新たな息吹と深まるルーツ…
かつてないほどに「バンド」としての手触りを感じさせながら、同時にどこまでも研ぎ澄まされた鉱石のような輝度と硬度を秘めた音の粒子。作為によってではなく、人間の鼓動と感情そのものによって静かに高揚の高嶺…
新譜を出すたび健やかな成長を見せるmiwaが、今作でも表現者としての深化を見せてくれた。第91回全国高校サッカー選手権大会の応援歌の表題曲“ホイッスル~君と過ごした日々~”は、美しいピアノの旋律から始まり…
あれれ、こんなバンドだったっけ。ブルックリン発のラ・ラ・ライオットの2年半ぶり3作目。モデスト・マウスやエルヴィス・コステロなどを手がけるデニス・へリングをプロデューサーに迎え、米南部オックスフォー…
隙あらばドラムスを叩きたがる人が、ブラザーズに加わって三兄弟。今さえ良ければいいとしか思えないバンド名と、デビュー・アルバムなのに各曲の作曲者は聴けばわかってしまうという圧倒的な記名性がすごい。THE …
前2作でポップ、ロック、ジャズ他多彩なアレンジ〜音楽的スタイルを実践、引き出しの多さと柔軟性を見せつけたヨ・ラ・テンゴ。その反動と捉えるのは安直かもしれないが、初めてジョン・マッケンタイアと組んだ本…
突然だったガールズ脱退の報から半年、クリスのソロが届いた。10年代以降、あまりにも特別だったバンドの事実上の終わりは、当事者にとってもあまりにもハートブレイキングなものだったよう。単純な心変わりや方向…
デビュー15周年を迎えたBOOM BOOM SATELLITESの実力を見せつけた3年ぶりのニューアルバム。ここでは、ビートルズ“HELTER SKELTER”をカヴァーしている。原曲は、どすんばたんと騒がしいドラムを中心に、いかにも…
1曲目“ボーリング”にまず仰天! これは、自堕落と他力本願をとことん突き詰めた究極のモノグサソング。ネガティヴの権化だが、聴いていると不思議と元気になる。また、“夜明けを待っている”が堪らないほど良…
メジャー・デビューから約半年、2ndシングルとなる“TREASURE”は、伊澤一葉(ex東京事変)をゲストに迎えた躍動的なピアノ・ロック。晴れやかに伸びるメロディ&コーラス、ブライトで硬質のギターと引きしまった…
この『ボトルメール』というアルバムによって溝渕 文は、「覚醒」というレベルを超えて、「転生」したと言っていいのではないか。言及したい曲は無数にあるが、冒頭の“Spiral Days”とラストの“坂本橋”が特に素…
“俺たちの明日”と“笑顔の未来へ”、そしてそれらが収録されたアルバム『STARTING OVER』を初めて聴いた時の感動は、今なお強烈に脳裏に刻まれている。どこまでもすんなりと、まっすぐに、「わたし」のすぐそば…
10月にアコースティックな音色の中で素直な言葉を綴ったシングル曲“Sun shower”をリリースしたことは彼女にとって大きなことだっただろう。冒頭から《この辺りで心を休めようか》と優しく歌われるこの曲には、自…
京(Voice)の喉の不調による活動休止期間を経て、一般流通の新作音源としてはアルバム『DUM SPIRO SPERO』以来となるニュー・シングル。表題曲“輪郭”は、現在進行中の全国ツアーにおいて本稿執筆時点(11月中旬…
結成15年&デビュー10年の節目の年、いくつかのアニヴァーサリー企画を経て、次へと向かう第一歩を『アルケミスト』という壮大な楽曲で刻んだACIDMAN。続く、今年2枚目のシングルは、その名も『新世界』。堂々たる…
10月にメジャー1stシングルをリリースしたかと思っていたら、早くも2ndシングルが到着。そして楽曲そのものにも、畳み掛ける勢いが詰まっている。なんたって、1曲目の“傷名”(きずな)は、紙資料1ページがビッシリ…
LUNA SEAがREBOOTと称して再始動してから2年が経つが、この古巣ユニバーサル移籍第一弾シングルを聴いて、完全復活と思う人は多いのではないだろうか。何故なら、ロックバンドとして完全体である彼らの実像が、ゴ…
2011年、アルバム『プレッシャー・アンド・タイム』でデビューし、同年のサマーソニックで来日を果たしたLA出身のライヴァル・サンズが2ndアルバムを完成。レッド・ツェッペリンやドアーズを引き合いに語られる、…
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