「無観客だろうが、Crewの声が聴こえる」――UVERworldが21年目の始まりを告げた6月6日アニバーサリー配信ライブを熱く観た
文=小池宏和
「俺たちの音楽は、不要不急なんかじゃねえ」。TAKUYA∞(Vo・Programming)は、今回のライブ中にそう告げていた。今、この言葉を告げるのはとても勇気の要ることだと思う。日本における新型コロナウイルス非常事態宣言が全面解除されたあとの無観客配信ライブとはいえ、ロックバンドのメンバーやスタッフが集まってライブを行うことは慎重にならざるを得ない。他の誰よりも、当事者たちの間で多くの議論が交わされたことだろう。極めて難しい判断だったはずだが、しかしUVERworldは、この日の配信ライブで「不要不急じゃねえ」の真意を見事に体現してみせた。それは、選曲も、そして演奏そのものも、あらゆる面で完璧に、困難な時代を生きるCrew(ファン)たちのための時間を生み出してみせた、ということである。
2020年6月6日。この日は、UVERworldの前身バンドにあたるSOUND極ROADの結成からちょうど20周年の記念日であった。7月6日のメジャーデビュー15周年記念日と併せて、それぞれ無観客ライブの模様を配信する「UVERworld 20&15 ANNIVERSARY LIVE」。今回の結成20周年ライブは、ファンクラブ「Neo SOUND WAVE」会員限定で配信された。その模様をレポートしたい。なお、7月6日のデビュー15周年ライブでは、ファンクラブ会員の先行受付が行われたのち、一般向けの視聴券も発売される運びとなった。こちらも、ぜひ楽しみにしておいてほしい。(以下、本誌記事に続く)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年8月号より抜粋)
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