現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』4月号にクリープハイプが登場!“真実”っていう曲だからこそ、意図的に作っているっていうことを伝えたかった
クリープハイプの真実に迫る
EP『だからそれは真実』にさらけ出した真実と秘められた真実をメンバー4人で語る
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=磯部昭子
クリープハイプの音楽を映像コンテンツに喩えるなら、ドキュメンタリーではないし、かといってアニメやファンタジー映画でもない。あえて言えば実写版のドラマがいちばん近い。すごくリアルだけどそれはどこか演技で、演技だけどそこには本物の感情がある。現実そのもののようだけどあくまでストーリーで、ストーリーだけどそこには真実がある。本音をストレートにぶちまけるバンド、心地よいファンタジーを提供するバンド、そのどちらでもない。そのどちらでもないことをあえて強調するかのように、彼らは言葉のトリックや皮肉や誤解や甲高い声を駆使してその独特の立ち位置にギリギリの姿勢で立ち続ける。ゆらゆらと危うく揺れながらもしつこくそこに立ち続ける。
そんな彼らが、初めて真実をそのまま歌った。尾崎の弾き語り曲“真実”を含むEP、その名も『だからそれは真実』がそれだ。
収録曲は“凛と”“本当なんてぶっ飛ばしてよ”“朝にキス”“愛のネタバレ”“真実”の5曲。“愛のネタバレ”も“本当なんてぶっ飛ばしてよ”も「真実」と「偽り」、「本当」と「嘘」が裏テーマになっている曲で、弾き語りの“真実”はズバリ「真実」についての歌。“凛と”も《っていう役》という歌詞をリピートしながら嘘の皮をめくって真実を暴くような歌詞。そんなテーマから突き抜けたカオナシ曲“朝にキス”だけは例外だが、それでも明らかにこのEPはクリープハイプが初めて「真実」というテーマに沿って一枚にまとめた作品なのである。
なぜ今「真実」なのか。それは直球なのか、それとも究極の変化球なのか。10周年を締めくくるキャリア最大のアリーナツアーに向かう彼らにとってこのEPが何を意味するのか。
そのすべてを語ってもらった。(山崎洋一郎)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年4月号より抜粋)
ご購入はこちら
他ラインナップはこちら