現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』4月号にマカロニえんぴつが登場!気づいたら自分なりのユニコーンができてたんだ、これでよかったんだって。そう思えたのがなんか嬉しかった
最強の11年目へ!
ツアー完遂、そして新たなスタートを刻む新作EP『wheel of life』。10周年を経てさらに強まったバンドの絆を語る!
インタビュー=小川智宏 撮影=小杉歩
2022年2月の日本武道館公演を皮切りに、10周年イヤーとなったこの1年、マカロニえんぴつは怒涛のツアーを繰り広げてきた。アルバム『ハッピーエンドへの期待は』で突き詰めた彼ららしさも、EP『たましいの居場所』で取り戻したソリッドなバンドアンサンブルも、ライブの中で磨き上げられ、ますます強固なものになっていった。そしてその総決算となった「10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇」ファイナル・さいたまスーパーアリーナのステージで、はっとり(Vo・G)は「俺なりのユニコーンはあなたと一緒にできあがりました」と宣言した。
もしかしたら勢い余って言ってしまっただけかもしれないけれど、だとしても、その言葉が口をついて出てきた意味はとても大きい、と思う。知っての通り、はっとりがロックバンドを志したきっかけはユニコーンに出会ったことだった。彼らへのあこがれを胸に上京したはっとりは大学で今のメンバーと出会い、それから10年、ユニコーンのようなバンドを、その背中を追いかけ、紆余曲折がありながらも自分たちのスタイルを築き上げてきた。その思いを率直に綴り、昨年にはセルフリメイクも行われた“あこがれ”の中で、はっとりは《頑張ってあなたよりもすごくなろう》と歌っている。でもそうではなく、これが「俺なりのユニコーン」なんだと納得できた瞬間。それはつまり、10年をかけて作り上げてきたこのバンドが、あこがれを追いかけるためのものから彼自身のアイデンティティそのものへと変わった瞬間だった。まあ、大袈裟に言えばそういうことなんだと思う。
そしてここから、そんなマカロニえんぴつの次の章が始まる。その狼煙となる新作EP『wheel of life』には、バンドの関係性も、タイアップとの向き合い方も、そしてはっとりの自分自身との向き合い方もアップデートされた新しいマカロニえんぴつが詰まっている。曲作りやレコーディングの中でも、はっとりがイニシアティブを取って引っ張ってきたこれまでの10年とは違うバンドのあり方がはっきりと見えている。率直に言って、これからこのバンドがどんなことになっていくのか、予想もつかない。だからこそ面白い。予測不能で面白いからこそ断言できる。
11年目のマカロニえんぴつ、相当すごいことになるぞ。(小川智宏)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年4月号より抜粋)
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