そのステージはミュージカルのようでありながら、ミュージカル以上に「音楽」であり、「ライブ」と呼ぶには、その表現は究極にシアトリカルで、「これまでに体験したことのないもの」としか表現できない自分がもどかしい。なんとか説明するとすれば、Mrs. GREEN APPLEがこれまで紡いできた楽曲たちを再解釈して並べ、そのセットリストの流れによって新たな物語を描き出す。そしてその場面にふさわしい舞台演出やダンス、台詞を、それこそ演劇の舞台と同等の質量で織り交ぜていく──というものだ。いや、こう書いたところで本質は伝わらないような気がするが、それほどにエクスペリメンタルな「ライブ」であったことは先に伝えておきたい。 (以下、本誌記事に続く)
文=杉浦美恵 撮影=田中聖太郎写真事務所(古溪一道・金谷龍之介)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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