昨年6月にBiSHが解散してから、アイナが作った初めてのアルバムである。全17曲。気合いみなぎる素晴らしいアルバムだ。今、アイナ・ジ・エンドは成長させてもらって、ポップのフィールドにいるべきだと思いました。
アンダーグラウンドに潜るのは、今は違うなって。そういう意思表示です
アイナはこれまで2枚のソロアルバムを作ってきたが、今作はまったく新たな佇まいをしている。過去2枚が、BiSHのアイナ・ジ・エンドからのオルタナティブな独白だったとするなら、今作はひたむきでまっすぐな宣誓として生まれた作品といえる。ただひとりのアイナ・ジ・エンドとはこういう存在であり、17の多種多様な曲、そのすべての世界に耽溺し、ギリギリの切迫感と切なさ、世界を満たしている悲しみややるせなさ、あるいはきらめきを歌いながら生きていくのだという宣言。アイナは今、その新たな生き方を自ら、『RUBY POP』と名づけることができた、ということなのだろう。きらびやかに乱反射する歌表現が17通りの世界観を描き出すアルバム『RUBY POP』。シンガーとして、アーティストとして、自立したアイデンティティを手にしたアイナは、その突出した「歌」の力を、今こそ強く信じることができている。
歌い続けていく決意、『RUBY POP』の成り立ち、そしてアイナ・ジ・エンドという存在に思うこと。すべて語ってもらった。
インタビュー=小栁大輔 撮影=大野隼男
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より抜粋)
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