THE YELLOW MONKEY『情熱大陸』、「4人の必然」に改めて感激した

THE YELLOW MONKEY『情熱大陸』、「4人の必然」に改めて感激した

1月の再集結発表、5月〜9月に全国を駆け抜けたアリーナツアーに続けて、11月からはホールツアー、さらに12月には武道館公演「メカラ ウロコ・27」開催決定!とTHE YELLOW MONKEYを巡る興奮がどうにも冷めやらぬ中、2016年10月23日に放送されたTBS『情熱大陸』では、再集結ツアーの舞台裏の密着映像がオンエアされた。

ツアー開始前のスタジオリハでまだ完全にギアの合いきっていない4人が、それでも来るべき「これから」へ向けて情熱を高ぶらせている姿。
移動の車内で「僕らの世代はあんまり下ネタしないらしいんですよね」と言いつつ、4人のグループLINEの名前がバンド名のアナグラムの「ザ インモー一(イチ)キロ エ」であることを悪戯っぽく話す吉井&どっと沸くヒーセ/エマ/アニー。
本番を直前に控えた緊迫感も感じつつ、楽屋で全員向かい合って食事をとっている光景に漂う心地好いリラックス感。
初日の代々木公演で「右足つった」を顔をしかめるエマをはじめ、ツアーにおける体力面でのハードルの高さは4人それぞれの表情から滲むものの、「このメンバーでバンドをやっていること」の喜びが、映像の端々からくっきりと伝わってきた。

まだ今年は終わっていないが、後から振り返って「2016年・日本ロックシーン最大の出来事は?」という問いには、おそらく多くの人が「THE YELLOW MONKEYの15年ぶり再集結&ツアー」と答えることだろう。僕らが感じているそんなシーンの熱狂を、番組独自のクールなタッチで客観的に位置付けていた今回のオンエアは同時に、THE YELLOW MONKEYの再始動が一時的なものではないことを、吉井の「イエローモンキーは一生解散しません!」宣言以外の角度からも実証する――番組内のナレーションの言葉を借りれば「解散したバンドが、打ち上げ花火のように再び集い儚く散る、よくある話のひとつと思う人もいるはずだ」という世間一般の疑問を丹念に解きほぐす内容でもあった。

「吉井さんの夢を教えていただけますか?」というスタッフの問いに「夢はね、もうだいたい叶いました。イエローモンキー、20世紀でだいたい叶いました」と答えた吉井は、さらにこう言っていた。
「なるべく長い時間、この人たちとやれたらいいなと思います。で、それを楽しんでくれる人が、たくさんいてくれたらいいなって……月並みですけど(笑)」

その類稀なる輝きによって時代の寵児となり、それゆえに疲弊し、「つらいことを共有するんじゃなくて、それぞれバラバラに飲み込もうとしちゃってた」(エマ)という状況の中で、ついには活動休止・解散にまで至った彼ら。そんな過去の歩みを踏まえつつ、それでも4人が純粋に「バンドの夢」を追って再びひとつの音を鳴らしている――という今この現実の喜びと重みを、改めて噛み締めずにはいられなかった。シングル『砂の塔』でそのディスコグラフィーにおいても新たな歴史を刻み始めたTHE YELLOW MONKEY。今回の『情熱大陸』を観て、4人の未来がもっとずっと楽しみになった。(高橋智樹)


TBS『情熱大陸』オフィシャルサイト
http://www.mbs.jp/jounetsu/
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