原石に宿る輝き

パラモア『オール・ウィ・ノウ・イズ・フォーリング』
2009年06月24日発売
ALBUM
パラモア オール・ウィ・ノウ・イズ・フォーリング
アメリカで05年7月にリリースされたパラモアのファースト・アルバム。その後数年で瞬く間にエモ/パンク・シーンを支える存在になっていく彼らの原点にして、原石の時点でまばゆい輝きを放つデビュー作だ。フュエルド・バイ・ラーメンの社長がライブにひとめぼれして契約したというだけあって、すでに確かな実力とオリジナリティを感じさせる。ライブで定番の“エマージェンシー”や“ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン”など、テンポや構成に変化がある曲に個性が光り、ラストのバラードまで飽きさせない。そして何と言ってもヘイリーのボーカルに魅力があって、子供のころからソウルやR&Bやファンク・ミュージックをよく聴いていたという彼女の歌声は、当時まだ16歳だったことを考えると成熟して聴こえる。広い声域を自在に操って、若さと勢いにまかせない安定した力があるのだ。本作ではまだ彼女の声が全体をリードしている印象だが、続く07年の『ライオット!』ではバンドのサウンドもソングライティングも一段とスケールアップしていて、その成長を聴き比べるのもまた楽しい。

今年の秋には3作目となる新作リリースが予定されていて、現在は憧れのバンドのノー・ダウトと一緒に全米をツアーしている彼ら。そしてそんな脂の乗り切った絶好のタイミングで、サマソニで再び日本にやって来る。映画『トワイライト』のサントラに新曲を提供してまた一気にファン層を広げた彼らだが、「ライブでこそうまく伝わる」とヘイリーが言うパラモアの魅力をフェスの大舞台で炸裂させて、日本でも大きくブレイクしてほしい。(網田有紀子)
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