すごいアルバムだ。もともとアヒトイナザワは「カオス」や「錯乱」と書いて「ポップ」と読む人だったし、だからこそVOLAのエレクトロ・ディスコ・パンクはいつだってトチ狂ったテンションを放射していたのだが、ア…
俳優のティム・ロスをフィーチャーしたアートワークと共に、マスコミへの最後の一撃を宣言する挑戦的なメッセージを掲げてドロップされる本作は、デビュー時から一貫したマニックスの反骨スピリットが流れる作品で…
先日のROCK IN JAPANで初めて聴いて以来、私の中で未だに余韻が残り続けている名曲。綺麗なバラード、というソングライティングのスキルが感じられる点だけでは語り尽くせない、もっと体温を伴った今のACIDMANのア…
エレファントカシマシのライブでは、10年以上前の渋い曲がふいに演奏されることがある。たとえば、7月の日比谷野音では“シャララ”をはじめとする80~90年代の曲が多く演奏された。そこでは青年期の宮本が生んだ…
ジャケットの写真は、ディアハンターの地元アトランタのポンセ・デ・レオン通りを追ったジョージ・ミッチェルの作品から採用されたものだという。ブラッドフォード・コックス自らのデザインによる歌詞カードには、…
時雨の音楽は、消せない記憶の中で磔にされている自分を映す鏡のようだ。そんな自分を殺してしまいたくて、激しくその鏡に拳を打ちつけて粉々に砕いても、記憶は余計に鮮明になるばかり。その鮮やかすぎる記憶が苦…
目下、破竹の勢いで快進撃を続けるTHE BAWDIESだが、彼らがいかに画期的なバンドであるかは、まだあまり気付かれていない。彼らほど素直にロックンロール・バンドでありたいと願い、それに徹することができたバン…
カート・コバーンは生前「俺が着るTシャツは、ジェリー・ガルシアの血とフィル・コリンズの尿で染めたTシャツだ」と記したが、彼がどれだけ慎重に言葉を選ぶ人かを考えれば、単に反抗の対象として「ヒッピー文化の…
日本でもちょくちょくライブは行ってくれていたが、リリースに関してはちょっと間が空いたので、もしかするとマイス・パレードは3年前のセルフタイトル作とベスト盤とで一度極まってしまったのだろうか?と勘繰っ…
5年ぶりの新作のタイトルは『木更津グラフィティ』。これは、綾小路翔が制作総指揮した地域密着型トレンディドラマと同じタイトルである。だから、彼ららしいメディア戦略の一環として作られたのだろうと思ったが…
前作も非の打ち所のないクオリティの高さを誇る作品だったが、3年ぶりの最新作もまったくもって降参するしかない、完璧なアルバムである。何より凄いのは、マルーン5の本質がまったく揺らいでいないところ。つまり…
敢えてクレバの日を自らがプロデュースしたSONOMIのアルバムに譲っての9月15日発売。フェスでは、ガンガンに盛り上げたあとに今作から“Changing Same”をかけながら静かに去っていく。何となくいつもとは違う匂い…
どこまでもTHE BACK HORNとしての逃れられない業を背負いながらも、バンドとして新たな輪廻に突入したような、生まれたての鮮やかな血に濡れたみずみずしさがある。THE BACK HORN2年ぶりのニュー・アルバムは、と…
「千の太陽が空に輝き、ひとつの巨大な光へと変わる。私は死神、世界の破壊者となる」――このアルバムのタイトルは、原爆の父ことロバート・オッペンハイマー博士のそんな言葉から採られたものだ。そしてアルバム…
RIJ2010でも早速披露してくれた“2人のストーリー”。この曲は、YUKIの低めの歌声と柔らかなロック・サウンド、淡々と日常を捉えるようなメロディが特徴的。そう、決して派手ではないが何度もリピートしたくなる味…
近年の「ローファイ・リバイバル」であったり「ニューゲイザー」に違和感を持っていたクチである。ローファイにしてもシューゲイザーにしても、そもそもの始まりは否定であり倦怠であり拒絶だった。それを一旦脇に…
キラーズ活動一時休止を経てリリースされるブランドン・フラワーズの初ソロ・アルバム。バンドの活動休止を受けてのソロ作は得てして「バンドではできなかったこと」や「本当の自分」を発表する場となり、だからこ…
1年前の前作におけるややダークでスピリチュアルな感触にも驚かされたが、今回はその驚きを更に凌ぐものになった。一聴して、これが本当にあのトミー・ゲレロかと思ったほどだ。すべてが白紙の状態でスタジオに入…
本作から浮かび上がるのは、「トータス松本」という魅力的なアーティストの生き様を示す大きな背中だ。彼が日々思っていることが飾ることなく伝わって来る印象だ。「大きな背中」と書いたが、「自信に溢れている背…
昨年9月にアルバム『Life is sweet』をリリースし、史上最大規模となる68本ものツアーを経てリリースされる13thシングル。聴いて最初に思ったのは、表題曲だけではなく、2曲目の、美しい切なさが汗水垂らして突っ…
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