【ロッキング・オンを読む】新たな命が吹き込まれたスティングの『マイ・ソングス』を引っさげた来日パフォーマンスを見逃すな!

【ロッキング・オンを読む】新たな命が吹き込まれたスティングの『マイ・ソングス』を引っさげた来日パフォーマンスを見逃すな! - pic by MAYUMI NASHIDA.pic by MAYUMI NASHIDA.

究極的なベストにして新作、じつに魅力的なアルバム『マイ・ソングス』を手土産にスティングが10月にやって来る。前回のステージの完成度とセットリストにさらに磨きが、と想像するだけで興奮は高まるが、『マイ・ソングス』で試みられたように、改めて過去の代表曲たちに挑むという、いっけんラクそうでいて、じつはベテランにとって危険でもある大胆な試みにワクワクさせられる。さんざん飽きるほど歌い続けてきた曲だからこそルーティンに陥ることなく、また、いたずらにアレンジしたり、会場の観客の脳裏にある記憶とはぐれることなく、それでいて過ごしてきた年月や、歌い続けた経験を盛り込むことは、我々が想像する以上にスリリングであると同時に楽しくもあるはずだ。

本誌7月号でインタビューしたときに、スティングは一つのポイントとしてサウンドのモダン化を語っていた。80年代のトラックなど、シンセやエコー、ドラムスの音が、どうしても時代性を背負ってしまっている部分をアップデートしたかったのだという。それを「曲は生き物だと思っていて(中略)、古い曲に新たな酸素を吹き込んであげるような気持ちでレコーディングした」とも語っていた。

確かに『マイ・ソングス』を聴いていると彼のそんな意識が強く伝わってくる。だからこそ単なるリメイクとは違い、時代の息づかいが生々しく、新鮮に響く。もともと楽曲そのものもスティングを離れ独自のドラマを描き出すほど作品性が高いことは、例えばスティング自身、もっとも気に入ってるカバーと言うシャインヘッドの“Jamaican In New York”や、最近ではラッパー、ジュース・ワールドが“Shape of My Heart”を大胆にサンプリングした“Lucid Dreams”の大ヒットなどで証明してきている。

そんなすべてがライブの現場で確認できる。最新のセットリストを見ると、“Message in a Bottle”に始まり多いときは全20数曲。どれも代表曲といっていいのがずらりと並ぶ、豪華にして究極的なもので、一生記憶に残るライブになることは間違いない。 (大鷹俊一)



この記事はキッスが表紙巻頭の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。
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【ロッキング・オンを読む】新たな命が吹き込まれたスティングの『マイ・ソングス』を引っさげた来日パフォーマンスを見逃すな! - 『rockin'on』2019年9月号『rockin'on』2019年9月号

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