【ロッキング・オンを読む】サマソニ来日直前! 地元ロンドンを歓喜と恍惚に引きずりこんだフォールズのライブを観た!

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4年ぶりのアルバム、しかも2部作、というアンビシャスな試みで攻めの姿勢を見せつけるフォールズ。3月の『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト・パート1』発売後のロンドン凱旋公演である今回のアレクサンドラ・パレスでのライブは、1万人×2デイズというスケールながら即完売となった。多様な音楽性が詰まった同作は、曲の特徴がより剥き出しになって再現されていく。ポップな“Exits”や“On the Luna”はたちまちシンガロングを巻き起こし、妖艶なスロー・ファンクから急加速する“Syrups”に観客は恍惚の表情で聴き入る。808ステイトを思わせるベースラインとシンセの“In Degrees”では、会場は完全にアシッド・ハウス・ディスコと化していた。

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一方、今秋発売予定の『パート2』から唯一演奏された“Black Bull”は、『ホワット・ウェント・ダウン』の系譜を継ぐような、大胆なギター・リフが繰り返されるラウドでアグレッシブな曲だ。フロントマンのヤニス・フィリッパケスは新作について「よりヘヴィだよ。ギターが前面に出てて、かつ、もっとギターを重ねてるんだ」と語っているが、まさにこれを裏付けるような骨太さであり、否応なくリリースへの期待が高まる。

新作でのこうした志向のせいもあってか、“Inhaler”や“Two Steps Twice”などのライブ鉄板曲の見せ場である、終盤のハード・ロック・カタルシスも一層パワー・アップしたように感じられた。ドラマティックな曲展開は彼らの真骨頂だが、そのメリハリがさらに際立ったような印象なのだ。アルバムや曲単位、そればかりか1曲の中でも様々な側面を見せているにもかかわらず、どんなサウンドもパワフルにライブで成立させてしまうのがフォールズの恐ろしいところだ。しかも、微塵の危うさもなしに。『パート1』リリース以降の精力的なツアー行脚を経て、パフォーマンスの地力は揺るぎないものになっている。変幻自在な振れ幅を持つ彼らが、ライブ・バンドとしての真価を発揮する瞬間をぜひ、サマソニで目撃してほしい。(古川典子)




この記事はキッスが表紙巻頭の『ロッキング・オン』9月号に掲載中です。
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【ロッキング・オンを読む】サマソニ来日直前! 地元ロンドンを歓喜と恍惚に引きずりこんだフォールズのライブを観た! - 『rockin'on』2019年9月号『rockin'on』2019年9月号

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