【JAPAN最新号】THE ORAL CIGARETTES、革新のロックアルバム『SUCK MY WORLD』完成。「第二章」で狙う野望のすべて

【JAPAN最新号】THE ORAL CIGARETTES、革新のロックアルバム『SUCK MY WORLD』完成。「第二章」で狙う野望のすべて

もうブレない。日本のロックシーンに思いっきりぶっ刺した感がある(山中拓也)

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』6月号にTHE ORAL CIGARETTESが登場!

革新のロックアルバム『SUCK MY WORLD』完成
新章をこじ開ける衝撃作はなぜ今生まれたのか?「第二章」で狙う野望、そのすべて

インタビュー=小栁大輔 
撮影=JAN BUUS(whiteSTOUT)


オリコン1位を記録した前作『Kisses and Kills』に続く待望の、そしてオーラル史上、きっとあとにも先にももっとも強烈な意味合いを残すであろう、衝撃作である。THE ORAL CIGARETTES、5枚目のフルアルバム『SUCK MY WORLD』は、今ロックバンドをやるということ、今ロックバンドにできること――そういった大命題に真っ向から向き合った作品である。すべてのリスナーにとって重要な問いを、このアルバムは投げかけている。

まず、「あなたはロックが好きか? 必要としているのか?」ということを容赦なく突きつける作品である。と同時に、その問いは、「あなたが知っている(としてきた)ロックは、どのくらいロックなのか?」「あなたはいかなる生き方をし、それゆえにいかなる音楽を求めてきたのか?」、そして「あなたはこの作品に出会ったことで、いかなる生き方を選んでいくのか? いかなる自分になろうと願うのか?」という問いへと形を変えながら、全15曲、57分間の自問自答の応酬へと、僕たちをいざなっていく。「自分とは何か?」という問いを問い続けてきた歴史をロックの歩みだとするなら、このアルバムはその最先端に刻まれた、鋭いエッジそのものである。

山中拓也は本作に至るまでの期間、何度も言葉を変えながら、「これに懸けます。これでダメならダメです」と言葉にしてきた。その決意は時に「いざとなれば、土下座でもしてみますよ」という自嘲的なユーモアも交えて話されてきたが、彼と対話するたびに、ああ、拓也は壁を超えようとしているんだな、と感じてきた。「同世代」という壁を、「シーン」という壁を、「ジャンル」という壁を超えようとしているんだなと、そのために自分を変えようとしているんだな、と感じてきた。

この半年間、オーラルは39曲もの楽曲をぶち込んだ「ベスト」盤を作り、「PARASITE DEJAVU」というライブを作り上げ、そして1曲1曲がそのまま楔のようなインパクトを持った新曲を、立て続けにリリースしてきた。そのすべてが、「こうでなければならない」という確信に満ちたものだったと思う。そのインファイトなスタイル、その生き様がたどり着いたひとつの結論が、この『SUCK MY WORLD』なのである。メロディによるセンチメンタリズムを超えた怒涛のアタック感、ソウルからゴスペルまで、あらゆる表現を飲み込んだ雑食性、網羅性――。この刺し違えるような切迫感をもって迫ってくる15曲を前に、聴き手は何を思うのか。そんな「問い」に一人ひとり向き合ってもらいたいと思う。

4人のモードは今、最強だ。「ロックバンド」としての新たな手応えがそれぞれの言葉からわかってもらえると思う。じっくりと読んでもらえたら嬉しい。(小栁大輔)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年6月号より抜粋)

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