「本当の気持ちで書くと伝わるものがあるのかもって思います」
――今、私たちがさとうもかに耳と心を掴まれるワケ
インタビュー＝矢島由佳子
どこまでも音楽に誠実な人だ。“melt bitter”や“魔法”がSNSでバイラルし、今注目を集めるさとうもか。彼女の特別な声質は時代に歓迎されている。どんな音にも埋もれずに、スマホで聴いても、誰かが投稿した動画の後ろで鳴っていても、耳に入ってきて残り続ける声。ボカロリスナーにも耳馴染みがよく、それでいて、生っぽさを残して録音された声には心に寄り添う熱量や泥臭さもある。そして、さとうもかは人生の中で湧き出た気持ちをそのまま音に閉じ込めることができるシンガーソングライターだ。日々の過ごし方から、歌詞の書き方、さらには音質まで、音楽の中にリアルをパッケージすることへのこだわりを貫きながら、音楽業界の慣習などに流されない音楽家としての矜持を持って楽曲を書き続けている。さらけ出した言葉や奥底にある本心から出た歌こそ人の心を掴むというのは音楽の真理だと思う。彼女の音楽が人々に大切にされる真の理由に触れることができたインタビューをお届けする。（矢島由佳子）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2022年12月号より抜粋）
『ROCKIN’ON JAPAN』2022年12月号
