自分が正当に評価されないことへの怒りはずっとあります。「俺は有名にならないと変だ!」みたいな
キタニタツヤの音楽は暗く、激しく、どこから斬ってもロックの血が流れている。
一方でキタニタツヤの音楽はポップであることに、潔く貪欲だ。少なくともソロ・アーティストとして、その名を知られるようになってからは、そのロックとポップは激しく彼の中で格闘し続けている。ロックとポップの中間を攻めているのではなく、ロックであることとポップであること、それぞれに譲れない意味があり、そのふたつが一歩も譲ることなく血を流し合いながらそそり立つのが「キタニタツヤ」なのだ。
JAPANは、そんなキタニタツヤに2024年以降の音楽の形を感じる。“青のすみか”の大ヒットは快進撃の狼煙にすぎず、これからシーンはキタニタツヤの音楽の新しさにみるみる染まっていくはずだ。その快進撃を全速力で追いかけていくために、まずはなぜこの特異なアーティストが生まれたのかに2万字インタビューで迫る。
普通は思春期ぐらいからロックの話が始まるのが2万字インタビューだが、キタニの場合はもう小学2年生からロックまみれ。でも、そこからずっと面白い。だからこそ面白い。キタニタツヤはマジで面白い。
インタビュー=古河晋 撮影=大野隼男
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』3月号のご購入はこちら