場内に入ると、まず目を引くのは横浜アリーナの巨大なステージの中央から真っ直ぐに伸びる花道。もちろんこの大きな会場だからこその舞台設計なわけだが、そもそもVaundyはこれまでこうしたある種外連味のある装置をライブに持ち込むことはしてこなかった。このアリーナツアーでもスクリーンに映像を映すようなことはなく、あくまで生身のパフォーマンスだけで勝負するというストロングスタイルを崩すことはなかったが、それでもこうして花道があるというだけで、彼がこれまでのライブ表現から一歩踏み出していることがわかる。
(以下、本誌記事に続く)
文=小川智宏 撮影=日吉"JP"純平
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋)
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