【JAPAN最新号】菅田将暉、奏でる者として、生きる者として──ルーツの先に辿り着いた、深く豊かな音楽世界。実家のようで宇宙のような、5年ぶりのアルバム『SPIN』を語る

今までやってきたことが「この気持ちを歌いたい」だったとしたら、
今回は「この風情や景色、空間を作りたい」という感じだった


なんて豊潤な魅力に満ちたアルバムだろう。みずみずしく、無邪気で、ゴージャスで、パーソナル。生活の視点、精神の視点、数多の視点から「生きること」に向き合う眼差しがあり、支配的になることのないバランスで、他者と自分の境界線を溶かす柔らかな空間が生み出されている。ここに届けられた菅田将暉のオリジナルアルバム『SPIN』はあまりに特別な作品だ。

本作には、甫木元空(Bialystocks)、牧達弥(go!go!vanillas)、東京スカパラダイスオーケストラ佐藤千亜妃Vaundy石崎ひゅーい、小野雄大、Sundayカミデといった面々が作詞作曲のクレジットに名を連ねると共に、菅田がライブやレコーディングを共にし続けきたバンドメンバーであるタイヘイ、Kohei Shimizu、越智俊介といった面々との音楽的かつ人生的なセッションが豊かに、実を結んでいる。

本作のテーマのひとつは「それぞれのルーツ」であるという。菅田は自身や共に音を奏でる友の人生のルーツに向き合いながら、この実家のような安心感と宇宙のような広大な不思議さを持つアルバムを作り上げたのだろう。本作について、菅田本人に話を聞いた。

インタビュー=天野史彬 撮影=笠井爾示
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋)


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