ONE OK ROCK全アルバムレビュー 2nd『BEAM OF LIGHT』 【『Ambitions』リリース記念】

ONE OK ROCK全アルバムレビュー 2nd『BEAM OF LIGHT』 【『Ambitions』リリース記念】

前作『ゼイタクビョウ』から半年、本作から次のアルバム『感情エフェクト』までのスパンも半年、という疾走感の中で制作されたアルバム。内容は全8トラック・26分強とコンパクトにまとまっているが、インストチューン“Abduction-Interlude”が4曲目に配置されることで、前半・後半の流れがくっきりと浮かび上がるドラマティックな一枚だ。若きロックバンドの思い描く壮大なビジョンがギュッと凝縮され、切迫感がひしひしと伝わってくる。

“Melody Lineの死亡率”や“Crazy Botch”のように、今聴いても非常にスリリングなバンドのコンビネーションが注ぎ込まれたアルバムだが、現在のセットリストに織り込まれることはない。しゃにむに突っ走っていた季節の記録だからなのかも知れないけれど、この時期の格闘がなければ今日のONE OK ROCKはありえないだろう。《許せない人を少し許して 嫌いな人を少し好きになり/そして最後に自分のコト愛することはできるのかな》と歌い出されるオープニング曲“必然メーカー”の自問は、いつか彼ら自身に愛されるべき過去の道程にも当てはまるはずだ。(小池宏和)
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