完璧な美学を焼き付けたブライアン・フェリー、特別な一夜を観た。貴重なソロ・ライブ東京公演をレポート!

完璧な美学を焼き付けたブライアン・フェリー、特別な一夜を観た。貴重なソロ・ライブ東京公演をレポート! - pic by Teppei Kishidapic by Teppei Kishida

“ダンディズム”“優美”“熟成”、そんな言葉がステージ上を軽やかに行き交う、素晴らしいライブだった。

もうじきロキシー・ミュージックの<ロックの殿堂>入り式典、そして名作『アヴァロン』をフィーチャーしたワールド・ツアーを7月から開始と盛り上がる中、ブライアン・フェリーの貴重なソロ・ライブが実現した。

ベテランらしく(笑)、定刻ピッタリの19時に客電が落ち、『アヴァロン』からのメリハリの効いた“ザ・マン・シング”でスタート。黒っぽいスーツに白いシャツ、と誰もが思い浮かべる姿、独特な動きだけで、完全に彼の世界が出来上がる。バンドはキーボードのクリスチャン・グリノを始め、長年サポート・メンバーをやっているジェリー・ミーハン(B)やルーク・バレン(Ds)などに加え、今回はギターにクリス・スペディングがいる(なんとこの人、77年のフェリー初来日のときにもいた!)。太ってしまい、姿にかつての面影はないが(失礼)、ギターの切れ込んでくるフレーズと音色は、さすが英ロック界きっての変人(!?)ギタリストならではで、随所で感動させられた。加えてサックス&クラリネットのジョージァ・チャルマーズとヴィオラのマリーナ・ムーア、コーラスの二人からなる女性陣が華やかな雰囲気を、1曲目から振りまく。

完璧な美学を焼き付けたブライアン・フェリー、特別な一夜を観た。貴重なソロ・ライブ東京公演をレポート! - pic by Teppei Kishidapic by Teppei Kishida
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2曲目のテンポを落とした“スレイヴ・トゥ・ラヴ”で、さらに魔界奥深くにいざなっていく手口が、まぁー、みごとだ。続いてイーノにも褒められたというレディトロンのグループ名のもととなった“レディトロン”や“アウト・オブ・ブルー”など、初期ロキシー・ナンバーへの反応はひときわ大きくフェリーも嬉しそうで、その勢いでこの土地では鉄板ナンバー“TOKYO JOE”で会場全体を一体感で満たす。その熱気を“ベイト・ノワール”“ザンバ”へとつなげていく流れは、とてもスマート、かつ他のどんなアーティストとも違ったゴージャスな空間であり、この渋谷Bunkamuraの会場とぴったりだ。

そんな空気を一瞬、変えたのは13曲目に取り上げられたボブ・ディランの“ドント・シンク・トゥワイス, イッツ・オール・ライト”だった。キーボード一本をバックにじっくりと歌い上げ、最後にはフェリー自身のエモーショナルなハープで仕上げ、ロキシー・ミュージックでのライヴとは違うことを決定的に刻み込む。そんな濃密な空間が創り出すスペシャル感のとどめとなったのがフェリーもキーボードに向かう“アヴァロン”であり、“ラヴ・イズ・ザ・ドラッグ”“リ・メイク/リ・モデル”の極めつけ三連発で、スペディングのギターがアグレッシヴな攻めからセンシティヴな叙情まで弾き分け、さらにサックスのジョージァを始めバンド全体も繊細かつスケール大きくフェリーのあのヴォーカルが生む完璧な美意識を、より堅牢なものにしていく。 万感の思いが込められた“ジェラス・ガイ”、そしてラストナンバー(アンコールはなし)の“レッツ・スティック・トゥゲザー”と、多くの思いを観客と共有するナンバーによって素敵な、まるで幻想のような一夜が締めくくられていった。(大鷹俊一)

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