現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』8月号にアイナ・ジ・エンドが登場!人はひとつ嘘をつくと重ねるじゃないですか。で、周りから人がいなくなる。
ほんとはかまってほしくてやってる部分もあるのに
アイナ・ジ・エンド、「嘘」を語る
新曲“ワタシハココニイマス for 雨”とA_oとして歌った“BLUE SOULS”
2曲をめぐる思い、そして今につながる心の最深部を語る
インタビュー=小栁大輔 撮影=太田好治
「私、喋ってるよりも踊ってるほうが楽で。口があると嘘ついちゃうから」。これは2020年4月号に掲載した2万字インタビューでの発言だが、このインタビュー以降、この発言が記憶に刻まれて刻まれて仕方がなく、それ以来、BiSHでのアイナ・ジ・エンドのパフォーマンスにそれまでと違う深みの説得力と背景を感じるようになった。その後、アイナはソロデビューを果たし、その自作曲は人生観から死生観、オルタナティブなガールポップ、抜き差しならないラブソングまで様々なジャンル/範囲に広がり、多くの「思い」が歌われることになったわけだが、どう明るく歌おうとも、その切迫感がその明るさを追い越していくような歌に出会うたびに、僕の脳裏には、冒頭の言葉が何度も浮かび上がってくるのだった。そもそも人間はそんなに嘘をついてはいけないものなのだろうか、愛のある嘘なんかもあるのではないだろうか――などと僕は思ってしまうが、アイナという人にとってはそうではなく、この歌の来た道にはおそらくそんな生き方が横たわっているのだろう、というのが一旦の結論だった。そんななかでまた出会ったのが、《嘘で食べて 生きてる世界》《嘘を食べて生きている私は/死んだ後だって/ろくな目に遭わないだろう》と歌われる新曲“ワタシハココニイマス for 雨”である。
そして今、再び、「嘘」をめぐる話=「アイナという人間の本質」にもう一度挑んでみたいと思い、出かけていったのが今回のインタビュー。A_oとして歌っているもうひとつの新曲“BLUE SOULS”まで、アイナはじっくりと、元気そうに話してくれました。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年8月号より抜粋)