挑戦の果てに今ヒゲダンが鳴らした新たな「原点」とは？
新曲“TATTOO”ロングレビュー
文＝小川智宏
ここのところ彼らの新曲が出るたびにこうして原稿を書かせてもらっているのだが、正直なところちょっと言葉が追いつかなくなってきている。別に困っているわけではない。いや、困っているのだが、それは最上級にいい意味で、だ。この1年に彼らが世に出してきた楽曲たちは、どれもこれもまったく異なる方向に振り切れていて、それでいていずれもとんでもないクオリティを誇っている。“ミックスナッツ”“Subtitle”、そして“ホワイトノイズ”……とくにこの3曲はアニメやドラマのタイアップ曲で、それぞれに素晴らしいシナジーを生み出していたことは読者のみなさんもよく知っていることだろう。『SPY×FAMILY』や『silent』のことを思い浮かべる時、そこには必ずヒゲダンの曲が流れているはずだし、『東京リベンジャーズ』の物語は間違いなく“ホワイトノイズ”によって何倍もエモーショナルでスリリングなものになっていた。もとよりタイアップというのはそうあるべきものだが、これほどの打率で、これほどのペースで、超特大のホームランを打ち続けるというのがいかにとんでもないことか。村神様も真っ青だ。（以下、本誌記事に続く）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋）
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