現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』6月号にNEEが登場!何かに寄り添っていたい人とか、何かに依存しなきゃダメな人が行き着くバンドがNEEだと思う
覚醒の2ndアルバム『贅沢』完成。
この時代に、なぜ「弱き心」を守ろうとするのか?――全員インタビューで解き明かす
インタビュー=天野史彬 撮影=フジイセイヤ(W)
「希望はない」――取材中、NEEのフロントマン・くぅはさらりとそう言った。それなのになぜ、彼らの新作『贅沢』は繰り返し「生きていく」ことについて歌うのか。1年半前にリリースした前作『NEE』と比べてはるかに逞しくなったサウンドは、焦燥感溢れるギターロックも、グルーヴィなヘヴィロックも、しなやかなラップソングも、摩訶不思議なダンスポップも縦横無尽に横断してみせる。根幹にあるものは、きっとずっと変わらない。《誰よりも脆く弱く生きてたいのです》――“本日の正体”でそう歌うように、「弱き心」の代弁者として、彼らは人の孤独や繊細さを変わらず守り抜いている。しかし、そんな自分たちの大切なものをどうやって今の時代や世界に接触させていくのか?――その眼差しが変わった。その高潔な弱さを守り抜くため、NEEは強くなった。
希望はない。でも、そんな心が音楽になればどうか。アルバム『贅沢』の中で、くぅの目線は無力な少年であり続ける自分と、ステージに立つ表現者としての自分を往還しながら、人間の普遍性に辿り着こうとする。もしこのアルバムがあなたに刺さるなら、あなたのその不安と欠落が、私は愛おしい。(天野史彬)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)
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