ザ・リバティーンズ、運命の新曲は疾走開始のファンファーレか?! ―― 新作は24年3月リリース!

ザ・リバティーンズ、運命の新曲は疾走開始のファンファーレか?! ―― 新作は24年3月リリース! - rockin'on 2023年12月号 中面rockin'on 2023年12月号 中面

サマーソニック2022出演が惜しくも実現かなわず、ファンを泣かせたザ・リバティーンズだったが、同年9月中旬にカール&ピートは作曲セッションのためジャマイカに飛び立っていた。そこから1年強、遂に4th『オール・クワイエット・オン・ザ・イースタン・エスプラネイド』が完成したとの朗報が飛び込んできた。

9年ぶり:11曲入りのオリジナルアルバムは来年3月8日リリース予定、プロデュースには初顔合わせのディミトリ・ティコヴォイ(プラシーボザ・ホラーズチャーリーXCX他)が当たっている。

残念ながら現時点ではリードシングル“ラン・ラン・ラン”しか耳にできていないのだが、“ザ・デラニー”あたりを思わせる抜群に軽快でアンセミックなリバティーンズ節と前作以来のつややかなポッププロダクションの光沢とが有機的に噛み合った良い曲で、アルバムへの期待度が高まるばかり。

00年代初頭に英ガレージロックブームを牽引し、メロディックなロックの美を再興させた4人の稲妻のごとき疾走は、不和/衝突/挫折/メンタルヘルス問題他の数々の暴風雨を伴うものでもあった。ゆえに様々な意味で伝説扱いされがちなバンドだが、この曲の《走れ、走れ、走るんだ、坊や/過去に追いつかれないようにもっと速く/鏡を通り抜けて走れ/今宵がこのまま続いて欲しいのなら》の吹っ切れたコーラスを聴いていると、過去の影を振り払った彼らに満ちる新たなクリエイティビティと音楽を作る歓びが、ひしひしと伝わってくる。

アルバムタイトルのイースタン・エスプラネイドは、ドーバー港に近い海辺の街:マーゲイトにリバティーンズが所有するホテル/バー兼スタジオ兼バンドHQ「アルビオン・ルームズ」が建つ通りの名前だ。ジャケットを飾るのはメンバーではなくモダンブリテンの市井人であり、その意味でも東ロンドンではなくマーゲイトに新たな「自由人たちのコミュニティ/アートハブ」を築いたことで、彼ら自身もインスパイアされローカルなプライドを抱いていることがうかがえる。

新作発表に先駆け、12月にはこのお膝元マーゲイトでエレクトリック/アコースティックのスペシャル公演開催も予定されている。新たな門出を祝福しようではないか。 (坂本麻里子)



ザ・リバティーンズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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