説明を求められると面倒で、「まず聴いて」と言ってしまいたくなる、そんなガールズバンドである。音楽が自由でいいということを、私たちはいつの間にか忘れてしまっているのかもしれない。CHAIを聴いていると、つ…
これはすごい。2017年の傑作のひとつとして記憶されることは間違いない、メジャーデビューアルバムである。個人的には昨年、カクバリズムからリリースされた『CALL』で初めて触れたアーティストなのだが、かつて学…
サイダーガールの音楽が「炭酸系」のコピーとともに語られるほど爽快でポップなのは取りも直さず、突き抜けるほどにポップな楽曲でなければ対消滅させられないほどの煩悶を抱えながら彼ら自身が日常を歩んでいるか…
セイント・ヴィンセント 『マスセダクション』 10月13日発売 St. Vincent - Pills 革新的なギタープレイが、最も刺激的なポップ・ミュージックと化す。果たしてそんなことが可能なのかというトライアルを、セ…
「懐古」が慣れ親しんだものへと立ち還ろうとする姿であるのに対して、「郷愁」が向かう先はとても漠然としている。心底懐かしく感じるものの、その理由の正体はよくわからず、もしかしたらこの世には存在しないも…
1990年の大ヒット・アルバムのリイシュー盤。ほぼ全曲の作詞作曲に加え、セルフ・プロデュースで臨んだ『リッスン・ウィズアウト・プレジュディス』は、メガ・ポップ・アイコンとして生きた80年代を『フェイス』で…
これ1枚でここ10年の彼ら、さらにファン人気曲を網羅できるベストアルバム。改めて彼らはずっと「生きること」について、時に命を投げ出すような勢いで叫んできたけれど、近年は「生きていくこと」を歌っていると…
3年前に初めてフレデリックのミニアルバム『うちゅうにむちゅう』を聴いた時に、なんて独自の路線をゆくバンドだろうと思った。80年代のポップミュージックへの憧れを込めたファンキーなリズムに、予測不能のメロ…
米豪でギター・ロックの松明を燃やすスラッカーなカリスマ(語義矛盾な形容ですが)ふたりによるご機嫌なコラボ。2014年に知り合いお互いのファンとして意気投合、以来楽曲のやりとりが続くうちにシングル企画から…
今年1月にリリースしたアルバム『NEW TRIBE』のレコ発ツアーファイナルの東京公演を収録した今作だが、観ている間ずっと心の昂ぶりが止まらなかった。それは、新サポートギタリスト・アオキテツを迎えた4人で全国…
トム・ウェイツやイアン・デューリーも連想させるバリトン・ボイスと、ジャズやヒップホップ、ダブ、ポスト・パンクの影響が沁み込んだメランコリックなサウンドで注目を集めたキング・クルール。本作は2枚目とな…
メジャーデビュー作、って、そうか、まだデビューしてなかったか、と思うほど「クロい音」好きにとってとうにおなじみのBRADIO、新曲2曲収録のニューシングル。何が気持ちいいって「まんまやないか!」というとこ…
ポップであること、マスを相手にするポップスターであること、真摯なメッセージシンガーであること、硬派なラッパーであること。その両者を分け隔てる壁を越えようとする。そんな困難なタスクに誰より自覚的なのが…
ベック 『カラーズ』 10月11日発売(日本先行) ついにリリースされたベックの『カラーズ』。なにがそれほど待たれたかといえば、このアルバムは90年代ロックにおける歴史的な傑作『オディレイ』のほか、『グエ…
ラーメン二郎への愛をラウドに叫び(“私を二郎に連れてって”)、“日本の米は世界一”と歌い自ら米作りをし、“島国DNA”では漁をして、日本の食を讃美し堪能してきた、打首獄門同好会。果てには、“歯痛くて fe…
前作から約2年間戦い続けてきた道のりの集大成であり、7月に開催された単独野外ライブにて「ROCK KINGDOM」というテーマを掲げていたSPYAIRにとって、タイトルはこれ以外ない5枚目のアルバム『KINGDOM』。どでかい…
本作からワーナーに移籍しこれまで以上に強力な海外進出を目論むcoldrain。2年ぶり新作のプロデュースはインキュバスやフォーリング・イン・リヴァース、ストーリー・オブ・ザ・イヤーなど、ラウド/メタルコア/…
昨年3月にメジャーデビューしたものの、9月にはギタリストが脱退し危機を迎えた夜の本気ダンス。だが、2ndアルバムであるこの『INTELLIGENCE』を聴くと、そんな危機などなかったように前作以上の強靭なサウンドを…
季節はすっかり秋だが、夏の淡い思い出がよみがえるような作品だ。もちろんメインにあるのは先行シングル“どん底”を始めとするアッパーな曲で、アグレッシブな“流れ弾”やグルーヴィーに突っ走る“ハッセンハッ…
今年5月にベストアルバムを2枚同時リリースし、8月に行われた初の武道館公演も即日完売という快挙を成し遂げたAimer。そんな彼女にとって今作は13枚目のシングルとなるのだが、1曲目の“ONE”を聴いた途端に眩しく…
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