ブルックリンのインディ・ロックと聞くと、どうしてもインテリで、アート志向で、オタクで、へんてこりん、というイメージがあるが、ザ・メンは違う。確かにインテリで、アート志向な気はするけど、同時に不良の臭…
日常の裏側に潜む「狂気」を「描く」バンドは数多あるが、この日常そのものこそが狂気にまみれた暗黒おとぎ話の舞台であることを指し示しながら、聴く者すべてを二度と戻れない背徳の彼方へ連れ去ってしまうような…
8月には地元アイオワで自身が主催するフェス、『Knotfest』を行なうスリップノット。サージ・タンキアン、デフトーンズ、デリンジャー・エスケープ・プラン等、たまらないラインナップを揃え、ダークカーニバル的…
光の速度と同じ数字をタイトルにして後藤まり子と読ませるとは、誰も追いつけないほどピュアに直進しているということだろうか。“M@HφU☆少女。。”や“ユートピア”“あたしの衝動”の歌詞に、光という言葉がキ…
こういうバンドがこういう2枚目を作ってくるパターンは本当に珍しい。最高にドリーミーで最高にキャッチー、一時代の空気を捉えたエレクトロ・ポップの傑作だった『マナーズ』から3年、パッション・ピットの待望…
素晴らしい。ブラボー。もう拍手喝采するしかない快作である。渦巻くエネルギーのカオス状態を突き抜けきった爽快感に笑いが止まらない。まったく統制のとれてない、とる気もない、ただやりたいことをやりたい放題…
契約更改が長引いたことで、フレーミング・リップスが一時的に「インディ・バンド」になった昨年。その小回りが利く状況を活かし、1年にわたり特殊リリース(USBスティックが仕込まれたグミ他)、新テクノロジ…
この7月にメジャーデビュー15周年を迎えるトライセラの、レーベルの垣根を越えて楽曲が収録されたニュー・ベスト。でも、ファンならすぐ気付くことだけれど、はっきり言ってちょっとヘンなベスト盤である。“Raspb…
オオカミの顔でありとあらゆるロックのオイシイところを喰い破って血肉化してるくせに、その雑食な音と歌は匿名性なんかこれっぽっちもない剥き出しの魂に根ざしている。というか、「人間ども」につきもののセンチ…
「プライド」という、ある意味Nothing's Carved In Stoneの音楽を最も端的にかつ鮮烈に象徴しているタイトル通りの凛としたメロディとビートに胸躍った直後、《いつかきっと 叶う 今も見える希望 fortitude》の…
スウェーデンの超優良レーベル、サーヴィスが送るこのアイコンズは、スピリチュアライズドのスウェーデン・ツアーでオープニングを務めた際にひときわ話題になったバンド。主にプライマル・スクリームを引き合いに…
これがあればもう何もいらないや!と言い放ってしまいたくなる、とんでもなく素晴らしいロックンロールアルバムだ。《生身だけで生きていれば もう何もかもいらなくなる》と“さよなら最終兵器”でチバが歌うあの…
1970年代前半のエルトン・ジョンという、言うまでもなく彼の40年以上に及ぶキャリア上でも最高に油が乗りきった時代の名曲群を素材にして、ペナウの2人がそれを最新音源として「創作」し直したのが本作である。2人…
生まれてくる命と失われていく命、重いのはどちらだろう? 傷つけることと傷つけられること、本当に辛いのはどちらだろう? 何かを守るための平和と何かを手に入れるための戦争、正しいのはどちらだろう? 答え…
このバンド名は、だてじゃない。70年代後半に英国で社会現象を巻きおこしたセックス・ピストルズのシンガー、ジョニー・ロットンは、人気の頂点で脱退、本名ジョン・ライドン名義でこれを始めた。 初期の『メタル…
桑田佳祐のソロ活動を集大成した2枚組、全30曲におよぶベストアルバム。 “悲しい気持ち”“波乗りジョニー”“白い恋人達”などの定番曲から、“君にサヨナラを”“月光の聖者達”といった最近の楽曲、さらにユー…
元パンテラのヴィニー・ポール、マッドヴェインのチャド・グレイら錚々たるメンバーが集まったヘルイエーの2年ぶりの3作目。本人たちの言葉にある通り、ヘヴィ・メタルの原点に戻った一作だ。メタルの領域を広げ…
喪失感と焦燥感、夢と期待が混然一体となった美しき産声。最高だ! ドレスコーズは本作をもってデビューする。《さあBlue 何かを失った気分はどうだい?/さあBlue 撃ちそこねるなよ、この胸を》と歌う“Trash”…
初アルバム『サントゴールド』から、もう4年も経ったのである。当時、ディプロやスウィッチの手がけたブリーピーでバウンシーな曲の衝撃は、サンティゴールドを反メインストリームのポップ・クイーンに位置づけた…
多くのラブソングを歌ってきたベボベが、結成11年目に突入し最初に歌うのが『初恋』なのが面白い。しかも過去を懐かしむのではなく現在進行形で《君にすこし会いに、急いだ》なんて甘酸っぱく恋焦がれ、《僕が見て…
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