傑作だ。これがオーラルかという驚きの楽曲群と、過剰なほどにオーラルな楽曲群によって往復ビンタをかまされながら、かつてないほど巨大なオーラルの全貌が見えてくる。5周年ベストを携えた昨年の野外2デイズ、も…
ボウイが亡くなってからも、彼の遺した未発表音源が定期的に届けられ続けていて、なんだか不思議な気持ちになってしまう。今のところ故人への敬意を払った発掘作業であることは確かなので、素直に感謝したい。こ…
2年前のEP『マイ・ディアー・メランコリー、』を挟んでいるし、常に何らかの形で歌声は届けられていたのでそんな気はしなかったが、アルバムとしては『スターボーイ』以来約3年半ぶり。昨秋には“ハートレス”、…
カリスマ英インディ・レーベル〈XL〉の総帥リチャード・ラッセルが、自らのスタジオに様々なアーティストを集めておこなうコラボ型プロジェクトの2作目が早くも登場と相成った。サンファやイベイーらレーベル所属…
4人のメンバーがハーモニーを紡ぐ荘厳なオープニングを聴くだけで、また一歩大人になったなと見当がつくんじゃないかと思う。“レッド・デザート”と題されたその曲で、故郷オーストラリアに敬意を表して幕を開け…
3月にリリースされた2014年の自主制作ミックステープ+αのCD化盤『ビート・テープ1』の、当時19歳とは思えない精緻で成熟したクリエイティビティに改めて驚きと畏怖を禁じ得なかった。さらに、そのリリースに先駆…
スフィアン・スティーヴンスによる15 年発表の美しいフォーク作『キャリー・アンド・ローウェル』は亡き母に捧げられたアルバムだったが、そこでは義理の父親との絆もまたさりげなく表現されていた。その継父がロ…
鬼才キーラン・へブデンのユニットの2年半ぶり10作目。これがもう、圧倒的に素晴らしい大傑作。あまりの気持ち良さに、いつまでも浸っていたくなる。 前作『New Energy』は、いかにもフォー・テットらしいカラフ…
「Amazing Grace」にかけつつ「Amazing+Race」としたタイトルの時点でバニラズらしさが感じられるニューシングル。タイトルの意図するところを反映するように、表題曲では、カントリー調のサウンドに二胡や銅鑼に…
いつの時代も先鋭的な精神を宿した音楽がそうであったように、音色のテクスチャーやスタイルなどのディテールよりもむしろ楽曲そのものに「永遠の近未来感」を宿した、アバンギャルドでグラマラスなポップ性。アン…
メジャー・デビュー作『ロン・セクスミス』から25周年、そこから本人名義のスタジオ・アルバムとして13枚目にあたる本作。彼が敬愛する伝説的先達と比べると、ポール・マッカートニーが70年のソロ・デビュー作か…
レディオヘッドのメンバーとしては4人目のソロ始動となったエド・オブライエンのソロ・デビュー・アルバム。自身の作品とレディオヘッドの作品が影響し合っているトムや、クラシック、サントラといった明確なコン…
ザ・スミス結成以前のモリッシーを描いた映画『イングランド・イズ・マインモリッシー,はじまりの物語』は、当時の彼が抱いたであろうやり場のない焦燥や戸惑いを丁寧に描いて、とても良い作品だった。そんな頃…
デビュー作『ヒューマニック』の登場からちょうど1年後という比較的短いスパンで発売を迎えた第2作。とはいえ急造りという印象は皆無だ。なにしろ母国デンマークでの最初のシングル発売は2014年のことだし、それ…
パール・ジャムがなんと6年半ぶり、11枚目となる『ギガトン』の完成を意表を突いて発表した。トランプ政権誕生以来初となる今作は、ジャケットで地球温暖化を訴え、タイトルも氷河が解ける単位から取ったものであ…
約3年半ぶりのアルバムで、“katharsis”、“P.S. RED I”、“蝶の飛ぶ水槽”といったテーマ曲シングルと、suis(ヨルシカ)をゲストボーカルに迎えた配信シングル“melt”をニューミックスで収録。また作詞や演奏…
デビュー10周年記念の2枚組ベストアルバム。1枚目が通常のベストで、ファン投票により選曲。2枚目は新曲や配信オンリーだった曲、アルバム未収録曲などメンバーが厳選した曲が収められている。古今東西あらゆるロ…
いまになってこの、「永遠の新人」の「デビュー・アルバム」がリリースされるとは……驚いた人も少なくないだろう。その才能に惚れこみ、ジェイ・Zが契約を交わしたのがもう10年前。それから客演などで姿を見せる…
ロジャーとブライアンのイーノ兄弟による初のデュオ・アルバム。2人は以前から、映画やテレビのサントラを中心にしばしばコラボしてきた。だが、アルバムを制作するのは『ミキシング・カラーズ』が初めてである。…
リード曲のタイトルが“ドラゴンボール・ドゥーラグ”。ドゥーラグというのは頭に巻くバンダナのような布で、ヒップホップ由来のストリート・ファッションのひとつ。サンダーキャットはこのドゥーラグを「イケて…
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