【JAPAN最新号】まふまふと『転生』のすべて。奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か?

【JAPAN最新号】まふまふと『転生』のすべて。奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か?
現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』7月号でまふまふのトリビュートアルバム『転生』を徹底特集!

徹底特集 まふまふと『転生』のすべて
奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か?
――3本立てスペシャル企画で、今こそその真実に迫る!

司会&インタビュー&文=小栁大輔


生きることのやるせなさと虚しさ、その意味を問うた性急なるギターロックから、「転生」へのねじれた欲望を歌ったポップチューン、「夏の終わり」という季節が持つ寂寞をピュアなる恋物語へと昇華させたバラード、あるいは、「和」の概念を追求してきた彼一流の叙情曲まで――まふまふというひとりの表現者が生み出してきた16の生き様を、14組の歌い手と14組のアレンジャーが見事に「転生」させてみせた作品『転生』。この作品は、一般に言うシンプルなる「トリビュート」とも、もちろん「カバー」アルバムとも違う、16の曲が、新たな人格と物語を与えられ、16の主人公たちがもう一度人生を生き直してみせるような、その生々しくも、愉快なドキュメントのような、実に稀有な作品になっている。そんな作品は他になく、これはだからこそ奇跡と言うよりほかにない作品なのだと、僕は思っている。
この作品を生み出したのはこの作品に参加した全28組のアーティストのパフォーマンスの賜物であることは間違いがない。だが、その大前提として、そこにまふまふという、極彩色のごとき世界観を無数に描き上げ、人間としての本質的な問いを投げかけ続け、そのすべてにおいて無二の振れ幅を表現し続けてきた才能が存在していたということを忘れてはならない。そこには16の完成された世界と、だからこそ、新たな「生」が躍動することができる、広く大きな空間があったのだと思う。そして、『転生』という作品は、ひとつの圧倒的なエンターテインメント絵巻であると同時に、まふまふという無二の表現者の核をあぶり出す、合わせ鏡のような作品になったのだろう。言うまでもなく、この作品を語ることは、まふまふを語ることにほかならず、そんな発想から、この徹底特集は生まれた。
今回、掲載させてもらったのは、5月27日より配信された特別座談会の完全版(私、小栁が司会をさせてもらいました)。それと、この座談会に参加した4人のアーティストが語ってくれた「まふまふのすごさとは何か」インタビュー。さらに、アルバム発売に先駆けて公開されてきた全16曲をそれぞれに解いた全曲レビューの再録である。
ほかのどこにもない熱量を刻み込んだ、必読のまふまふ文献にできたのではないかと思う。今こそ、まふまふという才能の未知なる特異性に触れ、『転生』という作品が到達した高み、その意義をぜひとも知ってもらいたい。(小栁大輔)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年7月号より抜粋)



  • 【JAPAN最新号】まふまふと『転生』のすべて。奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か? - 『ROCKIN'ON JAPAN』2022年7月号

    『ROCKIN'ON JAPAN』2022年7月号

  • 【JAPAN最新号】まふまふと『転生』のすべて。奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か? - 別冊JAPAN JAM 2022

    別冊JAPAN JAM 2022

  • 【JAPAN最新号】まふまふと『転生』のすべて。奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か? - 『ROCKIN'ON JAPAN』2022年7月号
  • 【JAPAN最新号】まふまふと『転生』のすべて。奇跡のトリビュートアルバムに見る、まふまふという表現者の特異性と革新性とは何か? - 別冊JAPAN JAM 2022
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする