現在発売中のロッキング・オン4月号では、クイーン+アダム・ランバートの来日ライブレポートを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。
文=杉浦美恵
クイーン+アダム・ランバートとしての初来日公演は2014年。サマーソニックのヘッドライナーとしてのステージだった。そのパフォーマンスは期待以上の可能性を感じさせ、以後、2016年、2020年と、来日公演を重ねるごとに、アダムはクイーンの音楽を現代に再提示するボーカリストとして、その存在を濃くしていく。
その集大成と言えるライブが今回の「ラプソディ・ツアー」だ。「ラプソディ・ツアー」自体は2019年にアメリカから始まったワールドツアーであり、2020年の来日もその一環として組まれたものだった。その後、コロナウイルスのパンデミックを受けてツアーは中断されたが、2022年にはヨーロッパ、2023年には再びアメリカ各地を巡り、今回、そのショーは強力にアップデートされた形で日本に帰還した。
“マシーン・ワールド”と“RADIO GAGA”に見る先見性と普遍性
まだ開演の15分前だというのに、客入れのBGMが1曲終わるごとに、会場中で大きな拍手が起こる。アリーナではもう待ちきれないというように次々に皆立ち上がり始める。何かが動き始める期待と不安が入り混じったようなアンビエントなサウンドに焦らされ、やがて客電が落ち、割れるような大歓声。ラウドなバンドサウンドが轟き、 “マシーン・ワールド”でライブが始まった。
1984年リリースの『ザ・ワークス』に収められた、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの手によるこの楽曲は、加速度的に進化するAI技術やロボティクスがもたらす未来を予見するようなものであった。社会生活に人工知能が当たり前のように取り入れられる現代において、ブライアンは昨年この楽曲を「人間がコントロールを取り戻すためのサントラ」と位置づけ、「ラプソディ・ツアー」のオープニングに用いているのだと語った。その楽曲が、同じく『ザ・ワークス』に収められた“RADIO GAGA”につながる。(以下、本誌記事へ続く)
クイーン+アダム・ランバートの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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