現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』2月号にあいみょんが登場!なんだかんだで止まってなかったな、自分。あいみょんとして今までやってきたものがずっと動き続けてくれたから。残り続けていくものってそういうことだと思う
年の瀬スペシャルインタビュー
“裸の心”が愛され、“猫”が世界に飛び出した2020年――
今こそ語る、この1年の「本当の気持ち」
インタビュー=小栁大輔
2020年も、音楽リスナーからの愛を思う存分に浴びたあいみょん。ただ、今年のあいみょんへの愛は、あいみょんそのものへの愛と同じくらいに、あいみょんが書き続けてきた「楽曲」に向けられた支持が大きかったような気がする。そして、このことは結構重要なことなのではないかという気がする。
今年のあいみょんの楽曲といえば、なんといっても“裸の心”。「バラードは今売れない」という通説に対し、「いや、本当にいい曲ならばちゃんと愛されるはず」と信じることから生まれたという話はあいみょん自身何度もしてくれているが、この曲は、稀代のシンガーソングライターとして、今、愛される資格のある「音楽」とは何か、という原点に立ち返らせた素晴らしい契機になっているのではないかと僕は思う。そして、もう一曲、忘れちゃいけないDISH//の“猫”である。あいみょんが提供し、3年前に発表されたこの楽曲が、一発撮りの動画コンテンツ「THE FIRST TAKE」で歌唱されたことをきっかけに見事なヒットとなった。言うまでもなく、これは“猫”という楽曲があらかじめ持っていたポテンシャルが、歌い手として逞しく成長した北村匠海が放つエネルギーをもって完璧に開花したエポックメイキングな瞬間だろう。「楽曲」という切り口で2020年を振り返った時、その真ん中にいたのは、やはりあいみょんの一筆書きのように美しく、エモーショナルなあのメロディたちだった、という感じがする。
そんな意義深い一年を、アリーナツアー真っ最中のあいみょんに語ってもらった、2020年最後のロングインタビュー。配信リリースされた新曲“スーパーガール”もさすがのクオリティで、2021年もあいみょんはきっと、リスナーからのたくさんの愛を受け取ることになるんだろう。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年2月号より抜粋)