ノエル・ギャラガーのポッドキャストが面白い【前編】好きな本、教訓、子供の躾など、人生の基本をまとめる

ノエル・ギャラガーのポッドキャストが面白い【前編】好きな本、教訓、子供の躾など、人生の基本をまとめる - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA

ローリング・ストーン誌が昨日リリースしたノエル・ギャラガーのポッドキャストが面白い。すでに知ってるネタも多いような気がするけど、ノエル・ギャラガーの人生の基本まとめ、という感じで聞いていただければ。iTunesのポッドキャストで、Rolling Stone Music Nowで検索すれば出て来るはず。おおまかな内容は以下の通り。
https://twitter.com/RollingStone/status/752697627477700608

1)マンチェスター出身ならではの特徴
「訛り。ユーモアのセンス。そして人生観。俺が初めてアメリカに行った時、MTVは俺の喋りに字幕を付けていたんだ。それってファッキン最高に笑えると思った」

「それにイギリスでは、どこで生まれたのかが、自分のすべてみたいなものだからな。イギリスはテキサス州の半分くらいの大きさしかないのに、50くらいの地域すべてに訛りがあって、それぞれ違う文化がある。俺が中産階級の出身だったら、バンドにすらなってなかったと思う」

「今はマンチェスターに住んでないけど、出身地を誇りに思うし、俺にすべてをくれた街だ。俺の音楽のヒーローはみんなマンチェスター出身だったし。ニュー・オーダーも、スミスも、ジョイ・ディヴィジョンも、ストーン・ローゼズも、ハッピー・マンデーズもな。偉大でアイコニックなバンドばかりだ」

2)成功して良かったこと、悪かったこと
「良かったことは金。妻や子供達が住める良い家が持てる。家族が望むものを与えることができる。成功して悪かったと思うことはない。今時のキッズだって成功への心構えはできていると思う。アルバムがブレイクしそうになったら心構えをしておかなくちゃいけないと思う。だって、それは今始まったわけではなくて、50年、60年続いているわけだから。ファッキンいい加減慣れておけって感じでさ。俺は成功を追いかけたことは一度もなかったけど、でも、そのせいで悪い目にあったこともない」

「写真を撮って欲しいってファンが来ても、撮りたくない時は嫌だってはっきり言うしね。写真を撮ってファンを増やしているわけではないから。ファンは俺のレコードが買いたいから買ってくれてるまででさ」

3)人生で一番大事な決まり
「自分が誰であるかを知ること。そして自分を誇りに思うこと。それから、妻が幸せなら家庭円満。家庭円満なら人生円満。それから、子供達に『お前達は俺より若いし、ハンサムかもしれないけど、お前達は死んでも俺よりクールにはなれない、絶対にな。分かったか』と教えること(笑)。子供達は『分かったよー。ファッキン・オアシスかよ』って言って理解しているけどね。それから、絶対に人生の良いことを当たり前のことだと思わず、頑張って仕事すること。なぜなら良い作品を作り続けば、俺自身が人に愛想をふりまくような人間になる必要もない。音楽こそが人との関係性を作ってくれるから」

4)子供について
「俺の子供達は、俺がマンチェスターでした経験をするわけではないけど、でも俺は自分がした経験を子供達もするべきとも思ってない。大事なのは、自分が誰であるかを知り、それを誇りに思うことだから。90年代には、労働者階級のフリをするバンドがたくさんいた。それはオアシスの成功によって、労働者階級であることがクールだとみなされたからだ。でも今は中産階級がクールとみなされている。でも、そのどちらでもクールなんだよ。一番大事なのは、自分が誰なのかを知り、それを背負って生きることだからさ」

5)好きな本
「俺は小説を読むタイプの人間じゃないんだ。そんな俺でも最初から最後まで読んで、すげーと思ったのは、ジャック・ケルアックの『路上』。読んだ理由は、その時ボブ・ディランに夢中だったからで、この本を読み終わった時に、ディランと、この本のつながりが理解できた。俺は事実を読む方が好きで、小説は面白いと思えないんだ。でも、『路上』に関しては、(ディランの)“サブタレニアン・ホームシック・ブルース”的なリズムとスピードのある書き方が最高だと思ったんだ。それからこの本を読んで、なぜサンフランシスコがカッコ良い場所だったのかが理解できた。一番最近読んだ本は、イギリスの冷戦時代のスパイ、キム・フィルビーについての本で、彼が二重スパイであることを知らなかった友達の視点から書かれたものなんだ。タイトルは忘れちゃった。でもスゴい面白い本だった。俺は第二次世界大戦時、冷戦時について書かれたノン・フィクション本が好きなんだ」

6)今聴いても一番感動する音楽
「今だに60年代の曲かな。“アイ・アム・ザ・ウォルラス”とか、“ストロベリー・フィールズ・フォーエバー”とか。まるで初めて聴いたかのように響くことがある。キンクスの“夜明けまで愛して”とかさ。60年代の音楽ってマジですごいインスピレーションを与えてくれる。いまだに60年代の音楽を発掘している最中なんだ。例えばThe Davidとか。確かカリフォルニア出身のバンドなんだけど、『Another Day, Another Lifetime』っていうアルバムがあって、それがファッキン最高なんだよ。マジで」
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