現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』9月号にヨルシカが登場!どんなに気に入らないゴシップや発言のあるアーティストでも、僕はその情報は排除して作品だけを観たいし聴きたいと思う(n-buna)
究極のコンセプトアルバム誕生!
ポップスの本質にも迫る問題作は、今なぜ産み落とされたのか?
『盗作』の真意に迫る。
インタビュー=杉浦美恵
昨年にリリースされた『だから僕は音楽を辞めた』と『エルマ』の2作のコンセプトアルバムで、ひとつの物語にピリオドを打ったヨルシカ。そして約1年ぶりに完成した3rdアルバムもまた、これまでと同じく、いや、それ以上に究極的にコンセプチュアルな作品となった。タイトルは『盗作』。文字通り、「音楽を盗んだ男」の破滅を描いた衝撃的なアルバムである。初回生産限定盤に付く、n-buna(G・Composer)書き下ろしの小説『盗作』も含め、作品で表現される世界観の色濃さとテーマの深遠さは過去作品をも凌ぐ。そもそも音楽家自身が「盗作」を真正面からテーマに据えて作品を作り上げるということ自体が驚きであり、そのテーマを見事に表現し切るsuis(Vo)の歌声には否応なしに引き込まれる。間違いなくヨルシカだからこそ踏み込んだポップスの領域であり、創作の本質をあぶり出すような試みがここにある。彼らは今なぜこの問題作を作り出したのか。(杉浦美恵)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年9月号より抜粋)
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