日本の恋人・サザンオールスターズ、使命と約束の無観客リモートライブを徹底レポート!
文=小池宏和 撮影=岸田哲平
めでたくデビュー42周年を迎えた6月25日に、無観客リモートライブという形で横浜アリーナを舞台に繰り広げられた「サザンオールスターズ 特別ライブ 2020『Keep Smilin’〜皆さん、ありがとうございます!!〜』」。グループとしてもキャリアを通じて初めての試みとなったそのライブは、もちろん、さまざまな地域に住む多くのファンが見つめ、熱狂する、盛大な祝祭感に溢れたステージであった。しかしそれだけではない。今回のステージに立ったサザンは、強い決意と使命感を帯びていた。なぜ彼らは、我々がコロナ禍に苛まれる困難な時期に、この特別なライブを行ったのか。パフォーマンスが進むほどに、その理由が明らかになってゆく。そんな一夜の模様をレポートしたい。
開演予定時刻の20時を回ると、横浜アリーナには通常のライブと同じように、注意事項等の場内アナウンスが響く。サザンにとっては1989年末のカウントダウンライブ以来、幾度となくメモリアルなパフォーマンスを生み出してきた舞台ではあるが、リモートライブであることを忘れさせるほど大掛かりで入念な「いつもどおり」のための演出が、ライブ中も至る所で感じられていた。そしていよいよ、バンドメンバーが姿を見せる。桑田佳祐(Vo・G)、関口和之(B)、松田弘(Dr)、原由子(Key・Vo)、野沢秀行(Percussion)、サポートメンバーには斎藤誠(G)、片山敦夫(Key)、山本拓夫(Sax)、吉田治(Sax)、菅坡雅彦(Tp)、小田原 ODY 友洋(Cho)、TIGER(Cho)という、近年のライブでもお馴染みの顔ぶれも揃った総勢12名だ。爽やかな短髪姿の桑田の首筋につけられたキスマーク(のシール)がユーモラスで目を引く。(以下、本誌に続く)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2020年9月号より抜粋)
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