【JAPAN最新号】おかえり、あいみょん!! 人生を照らし続けた光――甲子園のサーチライトの中で歌った全19曲。涙の3時間、そのすべてを見た

【JAPAN最新号】おかえり、あいみょん!! 人生を照らし続けた光――甲子園のサーチライトの中で歌った全19曲。涙の3時間、そのすべてを見た
現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』1月号にあいみょん「AIMYON 弾き語り LIVE 2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場」のロングレポートを掲載!

おかえり、あいみょん!!
人生を照らし続けた光――甲子園のサーチライトの中で歌った全19曲。
涙の3時間、そのすべてを見た

文=杉浦美恵 撮影=横山マサト


阪神電車「甲子園駅」を降りて球場へと向かう道は、すでに祭りのような賑わいだった。「AIMYON 弾き語り LIVE 2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場」。この特別なライブを象徴するマスコット「サチコちゃん」の巨大バルーン人形も出現し、たくさんの人が写真を撮っている。街路灯のフラッグにはユニフォームやキャッチャープロテクターを装着したあいみょんのポートレイト。おまけに入場時にはデイリースポーツの号外まで配られ、あいみょんの凱旋を報じる読み物記事を楽しみながら開演を待つという、なんとも粋な計らい。何しろ西宮が育んだ稀代のシンガーソングライター、あいみょんの凱旋ライブである。あいみょん自身も「いつかはこの地で」と夢見た場所だろう。しかもバンドセットではなく、文字通り単独での弾き語り。故郷に錦を飾るという使い古された言葉でも、今日ほどその形容がふさわしいライブもないだろうと思えた。

開演を告げるサイレンが鳴り響くと、スクリーンにはグラウンドに向かうユニファーム姿のあいみょん(?)の足元が。そして顔も判別できないくらいの超「引き」で、無人の甲子園のマウンド上に立つ姿が映し出される。グッとズームするカメラ。そこに映し出されたのはあいみょんではなく、なんと笑福亭鶴瓶だった。完全に虚をつかれて球場全体がどよめく(笑)。しかし鶴瓶師匠が語り始めた言葉は、この日のライブの意味深さを端的に表していた。「わずか9年前に梅田で路上ライブをやっていたあいみょん。7年前に上京してスターになった、そのあいみょんが地元に帰ってきたんですよ!」。その熱い語りかけに、地元民として出迎えたファンはもちろんのこと。全国各地から集まったファンも皆熱い気持ちにさせられたことだろう。

凱旋ライブと一口で形容するには、あまりにも濃密な3時間だった。あいみょんが生まれ育った街、おそらくは初めて歌を口ずさんだ街、すべてが転がり始めた原点となる街――あいみょんが辿ってきた日々をともに愛おしく追体験するようなライブ。「サーチライト」というタイトルが示したのは、あいみょんが憧れてきた光、そして自身を照らし出してくれた光への感謝と、そこに集まった一人ひとりにとってこの日の歌が、ライブが、この先の未来にもあたたかな記憶として残るような、そんな光のイメージだ。あいみょんの弾き語りライブは、これまでも常に彼女の「原点」が強く滲むものだったが、今回の「サーチライト」はその最たるものだ。弾き語りは彼女の原点、そして甲子園球場のある西宮は彼女の人生の原点。360度全方位をアリーナとスタンドの観客が取り囲むようにグラウンドの真ん中に設えられた円形ステージ。その景色は2019年に行われたあいみょん初の日本武道館での弾き語りライブを思い起こさせた。あの日、武道館というひとつの到達点ともいえる場所にひとりで立ったあいみょん。そのライブにも彼女の音楽の原点が表現されていた。梅田の路上で歌っていた10代の女の子が、純粋に自身の「音楽」だけでここまで進んできたこと、その重みを感じさせる感動的なライブだったことを思い出す。あれから約3年、そのスケールをはるかに凌ぐ甲子園球場への凱旋に、期待が高まる。(以下、本誌記事に続く)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年1月号より抜粋)



【JAPAN最新号】おかえり、あいみょん!! 人生を照らし続けた光――甲子園のサーチライトの中で歌った全19曲。涙の3時間、そのすべてを見た - 『ROCKIN’ON JAPAN』2023年1月号『ROCKIN’ON JAPAN』2023年1月号
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