2022年11月、“ヘルファイアクラブ”のMVをYouTubeに投下するや否や、その強烈なクリエイティブでシーンに爪痕を残し、猛スピードでその名を刻みつけてきたCLAN QUEEN。3月7日、その物語をさらに加速させるかのように、歌舞伎町タワー前のフリーライブ「99」で発表されたのは、Sony Music Labelsへの移籍、トリプルA面シングル『Secret Empire』のリリース、そして東京ガーデンシアターワンマン開催。あまりに鮮やかで、あまりに破格。だが、CLAN QUEENのすごさは、その経歴の派手さだけではない。真に特異なのは、彼らの楽曲が生む「コミュニケーション」そのものにある。CLAN QUEENは、思考を促す「帝国」でありたい。
これからバンドがどう大きくなったとしても、今、曲を聴いて考察してくれてる人たちがいたことは変わらない
AOiの「思考」が宿る楽曲に、yowaの歌が体温を与え、マイがベースや映像を通して輪郭を立ち上げる。そうして生まれた音楽は、単なる作品にとどまらず、ひとつの生命のようにリスナーへ働きかけ続ける。聴き手を恍惚とした熱狂へ導きもすれば、鋭い刃のように仄暗い感情をえぐり出しもする。その美しさと残酷さが同居する二面性こそ、CLAN QUEENが人を惹きつけてやまない理由だろう。
トリプルA面シングル『Secret Empire』は、そんなCLAN QUEENの本質がむき出しになった作品だ。初の生ストリングスが駆ける“無花果”、深いビートで奈落へと引きずり込む“Eden”、アーヴァンなグルーヴで心を揺らす“Dirty Little Secrets”──まるでCLAN QUEENという存在を3つの人格に分かち、そのすべてを差し出すかのような布陣。しかもそこには、これまで以上にCLAN QUEENの「痛み」と「愛」が、生々しく脈打っている。
なぜ彼らは今、このタイミングで最も深い「秘密」をさらけ出すことができたのか。コンセプチュアルな表皮の奥にある、柔らかく、温かく、そして切実な真実に迫った。
インタビュー=畑雄介 撮影=刈馬健太
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より抜粋)
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