彗星のように登場し、自らの才能に無自覚なまま頂点を極めた早熟の天才は、たいてい自分を理解しようとするセカンドを作るものだ。時に他者の協力を得て、時に環境を変えて、自分の音と客観的に向き合う努力をする…
09年の『monobright two』以降、音楽冒険作『ADVENTURE』、さらにヒダカトオルとの5人編成で『ACME』『新造ライヴレーションズ』とアルバムを重ねているにもかかわらず今作が『three』であるのはなぜか?――の答…
先日、翻訳出版された『ピート・タウンゼンド自伝 フー・アイ・アム』(河出書房新社)はUKロック・ファン必読で、もちろん『トミー』についても赤裸々に語られている。ある程度、形になったとこでクリティックに…
すでに12月4日リリースの1stフルアルバム『LiVERTY』からメジャーへの移籍も発表されている、名古屋発のエクストリーム・ダンス・ラウドコアの精鋭=サンエルことTHREE LIGHTS DOWN KINGSの2千枚限定ワンコイン・…
「キラーズのベスト」と聞いただけで何だか込み上げてくるものがあるが、単なるノスタルジーを超えているのが何よりのキモだ。トラックリストを眺めただけでメロディが次々口をついて出てしまう、そしてその楽曲の…
既に200曲に及ぶ、オリジナルの中から珠玉の名曲たちばかりを集めたセルフ・カヴァー集。それだけでもう、お宝アイテムなのだが、「ダサいセルフ・カヴァーはやりたくない」というCharaのポリシーのもと、長年愛さ…
オ・ルヴォワール・シモーヌをはじめとする卓越したリミックス・ワークや、次々にネットで公開される〝エヴリシング・グッド?(今作にもボーナス・トラックで収録)などのディスコ・ナンバーで注目を集めてきた、…
昨年4月のDOPING PANDA解散ライヴから約1年と半年。ついにフルカワユタカのソロ・ファーストアルバム『emotion』が完成した。きらびやかなグルーヴが心地よく身体に入ってくるファンクなダンス・チューン “Beast…
重々しくダークなオープニングから、AFIのねっとりとしたロマンティシズムが炸裂する4年ぶりの新作。前作『クラッシュ・ラヴ』は、曲作りの要となるジェイド(G)とデイヴィー(Vo)がサイド・プロジェクトのブラ…
今年5月に2日間にわたって行われた幕張メッセ公演の2日目、5月19日のライヴを収録した映像作品。ドルビー社の協力のもと、だだっ広いホールに228本のスピーカーを並べ6.1chサラウンドを実現させた圧倒的な音響スペ…
既に大きな話題を呼んでいるフォーク・ロックユニット、ハルカトミユキのメジャー第一弾となる1stフルアルバム。1989年生まれの女性ふたりが奏でる、歯に衣着せぬ言葉と、何にも囚われない音の数々――そう書くと、…
ライヴを精力的にこなしていた時期のザ・ビートルズのスタジオ・ライヴ音源として、かなり正確なバンドの力量と魅力を伝えることになった94年の『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』の続編となるBBCライ…
今年の春に高校を卒業してから、アーティストとして見えてきたことがたくさんあるようだ。歌える場所があるというありがたさ、聴いてくれている人との信頼関係……そんなひとつひとつが、デビュー当時、頑なにあっ…
藍坊主は不思議なバンドだ。ジャンル、シーン、サウンドのスタイルに絡めて語ることを容易に許してくれない。何故なのか? それは、彼らの音楽の魅力の核が「空気感」とでも言うべきものであるからだと思う。アッ…
00年代前半から、アングラなインディーズやブログを中心に新たなリスナーを開拓している世界各地(主に非西側諸国)のサウンド。「目新しい、他とは違う何か」に目のないヒップスター層が主な顧客になるが、シリア…
初のヨーロッパツアーを終えたばかりのthe telephonesが放つ最新シングル。表題曲は冒頭からホイッスルがリズムを刻み、シンセの必殺リフと相俟って高揚感を煽る。《踊り続けるんだ/戦う事をやめちゃいけない(略…
バンドやアーティストがセルフタイトル作を作ったときにはいつも特別な感慨を覚えるものだが、アヴリル・ラヴィーンの場合もまさに新たな人生をスタートさせたこの時期にぴったりのタイミングだ。何と言っても今作…
UNISON SQUARE GARDENの魅力のひとつは、センチメンタルなメロディやリフにある。しかし、それは従来のポップミュージック、特にJポップが表現してきたセンチメント=感傷性とはかなり趣が違う。一言でいえば、行…
かのノエル・ギャラガーに「銀河系の未来はこのバンドのアルバムにかかっている」、「このバンドの曲をかけないBBCレディオ1はクソだ」とまで言わしめ、とにかく兄貴から途轍もない期待(とプレッシャー)をかけら…
なんだなんだ、これは!? 唐突に射抜かれたので、もう一回、頭から聴き直す。プレイヤーの前にじっとして、聴く。これが10代のときなら、デッキの前に正座して、大音量に痺れながら放心しているところだ。音量を下…
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