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SEASIDE STAGE 17:30

「遊び足りない」人をゼロにした、超濃密な5曲

向井秀徳 (Vocal,Guitar,Keyboard)、「MATSURI STUDIOからやってまいりましたZAZEN BOYS。“暗黒屋”!」と曲名をコール、キーボードに向かう。極限まで音数をしぼったようなこの曲でスタートしたことに、意表をつかれる。2曲目は一転、ストレートなエイトビートにのせて向井が「くりかえされる諸行無常、それでもやっぱりよみがえる性的衝動──」とおなじみのフレーズを口にし、“Friday Night”が始まる。腰をがっしりと落としたガニマタスタイルでキーボードを弾きながら歌う向井、「ゴールデンウィーク中は、毎日、♪Friday Night~」と歌いあげ、曲をシメた。



そして“COLD BEAT”。例のチャルメラフレーズを鍵盤で何度も奏でる向井、ギターのカシオマンこと吉兼聡にも弾くように指示、カシオマンが弾くと次はベース吉田一郎に「顔!」と、それっぽい顔で弾くことを命じる。吉田一郎が見事にそれっぽい顔で弾き遂げた、と思ったら、チプルソとサイプレス上野が登場。そのまま“COLD BEAT”プラス2MC状態に……いや、向井も合わせて3MC状態に。続く“6本の狂ったハガネの振動”では、チプルソとサ上が交互にラップし、サビで向井が歌う。やはりというか、期待以上というか、ラップとZAZEN BOYSの音、おそろしく相性がいい。

ラストは“Asobi”。サ上が「風がすげえ風がすげえ」とオーディエンスに連呼させ、チプルソが「今日は向井秀徳の隣でラップって胃が痛いよ」とかぶせ、ふたりのフリースタイルが始まる。そしてカシオマンが大五郎マラカスを振り始め、向井はキーボードを弾き、ふたりのフリースタイルはさらに続き、やがて向井が「♪遊び足りない!」と加わっていく。もう、鬼のようにかっこいい。たっぷりとオーディエンスを酔わせたあと、「JAPAN JAM! 乾杯!」のひとことを残して、向井はステージを下りた。(兵庫慎司)

このフェスの模様を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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