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SKY STAGE 15:15

「三つの歌声」が描いた、熱く秘めやかな世界

初日SKY STAGEの三番手は、昨年に続きここJAPAN JAM BEACHに登場のクリープハイプ! 浜辺を埋め尽くすオーディエンスに「やります!」と呼びかける尾崎世界観(Vo/Gt)の軽やかなコールに導かれて響き渡った“オレンジ”のカラフルなサウンドが、歓喜のグルーヴを生み出し大地を揺さぶっていく。シングル曲を基調としたセットリストが刻一刻と会場の温度を高める中、尾崎のハイトーンヴォーカルが狂おしいほどのセンチメントを呼び起こしながら、5月の幕張の空を貫いて鮮烈に伸び上がる。


今回はゲスト二組を招いてのクリープハイプのステージ。ひとり目のゲストはSUPER BEAVER・渋谷龍太。「SUPER BEAVERはずっと好きなバンドで、去年のCOUNTDOWN JAPANで勇気を出して、珍しく自分から話しかけに行きました」という尾崎が渋谷とのWヴォーカルで歌い上げるのは、SUPER BEAVER“青い春”。《胸の奥をずっと 掴むあなたが/くじけそうならば 今度は僕らが 笑わせたいんだよ》というフレーズを真っ直ぐ歌い放つふたりの熱唱が、突き抜けるような祝祭感を生み出していく。


続いてもうひとりのゲストは尾崎の親友・石崎ひゅーい。ふたりでアコギを構えたところで、ゆずの“夏色”に流れ込むなど息の合ったところを見せつけつつ、5月18日リリースの石崎のアルバム『花瓶の花』から表題曲“花瓶の花”を披露。ふたりの情感あふれる歌声が美しく絡まり合い、胸震わせる情景を描き出していった。再び4人に戻ってからは一気に高揚感の頂上へ! ビーチを揺らしまくった“HE IS MINE”では「開放的な砂浜で叫ぶのにぴったりの言葉があります」という尾崎の言葉に導かれて一面に巻き起こる「今度会ったら?」「セックスしよう!」コール&レスポンス。どこまでも熱く激しく、それでいて秘めやかなコミュニケーションに満ちたアクトだった。(高橋智樹)

このフェスの模様を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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