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SKY STAGE 16:45

共に闘い、生きるための歌


JAPAN JAM BEACH 2016、1日目もいよいよ後半戦へ。SKY STAGEの次なるアクトはNICO Touches the Wallsだ。SEなしでメンバーが登場すると、「イェイイェイイェイ! JAPAN JAM BEACH、楽しんでますか!」と光村龍哉 (Vo.&Gt.)が挨拶し、ライヴをスタート。疾走感のある青いサウンドで昂ぶらせるというよりも、バンドとしての確信に裏打ちされた地に足のついたサウンドで、聴き手の心を震わせるのが今の彼らのモード。《ガラスも溶けそうな灼熱の幕張》と歌詞を替え、オーディエンスのジャンプも誘った“THE BUNGY”では、4人でのソロ回しもバッチリキマった。
昨年に引き続き自分たちの出演日はいつも風が強い、と話す光村。「晴れた幕張でやったら気持ちいいと思って」と前置きしたあとに披露したのは、本日5月3日にリリースされたシングルの表題曲“ストラト”だ。抑制と開放のコントラストが映えるアンサンブル、ニュートラルな温度感。信じる道を進み続けるバンドの意志が飾らない歌に託されていく。


そんな空気を切り裂くようにイントロが鳴らされ“ニワカ雨ニモ負ケズ”へ。シャウトまじりのスキャットを炸裂させる光村を筆頭に、坂倉心悟(B.)&対馬祥太郎(Dr.)によるグルーヴも深みと厚みを増し、潮風でシャツをはためかせながら楽器を弾き倒す古村大介 (Gt.)の旋律も輝きを増していく。この感じこそが、ニコの真骨頂だ。「またこの浜で会いましょう!」(光村)と“天地ガエシ”がこの場に集まる人々の約束の証として刻まれ、終了。バンドもオーディエンスも空に向かって握りこぶしを掲げたラストシーン、まるで互いの健闘を祝福しているかのようだった。(蜂須賀ちなみ)

このフェスの模様を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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