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SUNSET STAGE 14:30

続いていく明日のために、鳴らされる「今」の歌

SUNSET STAGE 3番手のSUPER BEAVERは、まず、柳沢亮太(Guitar.)、上杉研太(Bass.)、藤原”27才”広明(Drums.)が登場。息を合わせて一発鳴らしたあとに渋谷龍太(Vocal.)が現れ、“青い春”へと突入した。目の前の「あなた」の大切さを改めて歌に託すこの曲にしろ、自分も相手もまるごと肯定してみせる“らしさ”にしろ、どの曲もまるでこのバンドのテーマソングのよう。そう感じさせられることこそが、彼らが常に嘘のない気持ちで音楽へと向かっているバンドだという証だ。そして中盤にはSCANDAL・MAMI(Guitar & Vocal)が登場。音源でもMAMIがゲストコーラスとして参加していた“Q&A”を披露した。渋谷&MAMIのどこか切なげなデュエットが、音の隙間を活かしたバンドアンサンブルとともに空に溶けていく。心地いい響きだ。

特別なセッションを終え、再び4人に戻る。「暑いのに暑苦しくてすみません」なんて言いながらも、歌の合間にも言葉を詰め込みその気持ちを伝えるのが渋谷のスタイルだ。青空の下で鳴らされるバンドサウンドは青春真っ只中みたいに痛快に鳴り渡り、それに感化されるように、オーディエンスは腕を振り上げ、手を叩き、ステージへ熱い視線を送る。そんなひとりひとりの姿を見ながら、メンバーも目を輝かせていた。
「こういう景色を見せてもらうことが音楽やっててよかったって思う瞬間かな」「こんな大きなステージで歌を歌わせてもらえることがどう考えても当たり前だとは思えない」と、ラストに演奏されたのは“ありがとう”。「言いたいことは言いたいときに言おう」と言う渋谷の言葉はオーディエンスの胸に深く刻まれたことだろう。この場限りでは決して終わらない、バンドと聴き手の関係性が表れた珠玉の場面だった。(蜂須賀ちなみ)

このフェスの模様を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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