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SEASIDE STAGE 19:00

明日の敵を今日のうちに討つ!

「朝の11時頃に出て、ずっと待ってたんだ!」「どうせおめえら、明日中止だからここで盛り上がって帰ろうと思ってんだろ?」「渋谷陽一、泣いてたぞ。あんな人でも泣くんだねえ」などと、出てくるなり言いたい放題の山口隆(唄とギター)、「ですからみなさん、弔い合戦ですよ! 明日出る奴らの敵討ちできる奴いんのか! ただの敵討ちじゃねえぞ、ビーチ感出しまくって敵討ちできる人! 渋谷の敵討ちできる人!」とあおりまくって、“ミラクルをキミとおこしたいんです”でスタート。

というわけで、今日のコールは「敵討ち!  敵討ち!」になりました。かつ、時々「ビーチ感! ビーチ感!」も混じりながらハンドクラップ、ジャンプ、シンガロングの嵐を起こした末に「おめえらの光、見してくれ!」と“光のロック”へ。近藤洋一(ベースとコーラス)&木内泰史(ドラムとコーラス)の、コーナーポストから飛ぶ重量級レスラーのような、重くて敏捷なリズムが風の強いビーチに響きわたる。
そして、長年必ず演奏してきたが、ここ1年くらいはあえてセットリストから外していた初期の超名曲“そのぬくもりに用がある”のイントロでみんな狂喜。砂浜がグラグラするほどジャンプ、サビの《涙流れて 愛が生まれる/愛が生まれて 五月雨(さみだれ)になる》ですごい勢いで歌う歌う。笑えておもしろくて泣けるからサンボが好かれている、という以前に、曲そのものが深く愛されていることを、改めて実感する。

“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”“できっこないを やらなくちゃ”を経て山口、「みんな、こんな、泣いちゃうぐらい美しい空気にしてくれて、ほんとありがとね」とお礼を述べ、最新アルバムの“可能性”で本編シメ。「やべえ、泣きそう」「みなさん、最後の敵討ち、一緒にやってください!」と突入したアンコールは “ロックンロール イズ ノットデッド”。強力に型があるのに何度観ても飽きない、熱量マックスのステージだった。(兵庫慎司)

このフェスの模様を「ROCKIN’ON JAPAN 7月号(5/30発売)」にてレポートします。お楽しみに!

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