現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』4月号表紙巻頭にsumikaが登場!このタイトルで、16曲で、「sumikaって2021年現在こういうバンドなんですよ」っていうのを過不足なく言い切る。その過程全部が、僕はすごく好き(片岡)
sumikaがひらいたポップの未来
待望の3rdアルバム『AMUSIC』完成!
メンバー全員インタビュー、sumikaの5曲、ライブレポで送る徹底特集!
インタビュー=海津亮 撮影=神藤剛
sumikaの楽曲には聴く人を不思議なくらい高揚させる魔力がある。
掛け声だけの元気ソングとはまったく違う、その裏にある痛みを知っているからこそ歌えるリアルなメッセージを、一度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディに乗せて歌う。
言葉にするとシンプルだが、これは発明だったのかもしれない。
sumikaのポップとは、傷口を隠さず開いて提示する様な覚悟と決意を感じさせるものばかりだ。それは決して順風満帆とは言えなかったアーティストキャリアの先に辿り着いた現在があるからなのだろう。肯定感に溢れているけど、どこかアイロニーを感じさせる苦さが常に同居する。それがsumikaのオリジナリティーであり、だから一人ひとりの感情に寄り添ってくれる。
“祝祭”の歌詞にある《晴れのち雨になってもゆく/悪足掻き尽くすまで》《晴れのち雨になってもゆく/傘差す気はないから》は、実にsumikaらしく、聴くものすべてを高揚させてくれる。
2年ぶりとなる待望の3rdフルアルバム『AMUSIC』に収められたのは全16曲。一瞬ベスト盤かと錯覚するくらい代表曲が多数含まれている。“イコール” “願い” “ハイヤーグラウンド” “センス・オブ・ワンダー” “絶叫セレナーデ”――これらすべてが2ndフルアルバム『Chime』以降に発表されていた、という事実にあらためて驚いてしまう。sumikaにとってのこの2年間がどれだけ濃密な季節だったのか。
このアルバムはその貴重なドキュメントだと思う。
アルバムタイトル『AMUSIC』は、片岡による造語。インタビューでも語られているが、今のsumikaの音楽や存在を表現する3つの言葉を掛け合わせて生まれたのがこのタイトルだ。ぜひ本文中の片岡の発言を読んでほしい。「music」という言葉から派生したこのトリプルミーニングこそが、2021年現在のsumikaのマニフェストなのだろう。
sumika初の表紙巻頭特集は、アルバム『AMUSIC』ロングインタビューと合評、さいたまスーパーアリーナで3日連続で行った配信ライブのレポート、メンバー4人によるsumikaの5曲セルフライナーノーツで構成する全38ページのボリュームでお届けする。2021年、JAPANはsumikaを追い続けたい。(海津亮)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年4月号より抜粋)